いわせんの仕事部屋

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石川さんの新刊

石川晋さん待望の新刊です。


「対話」がクラスにあふれる! 国語授業・言語活動アイデア42

「対話」がクラスにあふれる! 国語授業・言語活動アイデア42


石川晋さん待望の新刊です。

もうたくさんの書評が書かれています。
http://suponjinokokoro.blog112.fc2.com/blog-entry-1475.html


すっかり出遅れてしまいました。
心待ちにしていた本。
大きな大きな提案の本です。


この本の1章、2章。
何度も何度も読み返し、そこから感じたこと、考えたこと、共感したこと、違和感も含めて自己と対話し、そして他者と対話しながら読みたい章です。

対話と信頼、表現をベースに、本気でそこにチャレンジしていこう。そんな提案です。
強く共感します。


実践編もなくてはならない章です。
紙幅の都合で、書ききれなかったことがたくさんあるだろうと推察しますが、それでも実践編を読むと、理論編で書かれていることが具体的に教室でどのように展開されていくのか、の情景が浮かんできます。
ボクも早速教室でいろいろ追試させていただいています。
(きっともっともっと書き込みたい章だったのだろうなあとも思います)


1,2章はいわば、実践編の「価値のインストラクション」。
そのインストラクションをうけて、実践編の42のアイデアを、どのように広げ、どのように深め、どのように子ども達に届けるか。
それが読者であるボクらの仕事です。
理論編の「価値のインストラクション」なく、実践編だけを教室に持ち込むと、全く別の文脈の実践になることもあるでしょう。
ですから、1,2章をじっくりじっくり何度も味わいたいです。



「ぼくが子どもだったらこの教室で学びたいか」
「ぼくはこの教室で幸せに過ごせるか」
「ぼくの子どもはここで学んでほしいか」




ぼくは、いろいろな教室を参観するとき、あたかもそこに自分が子どもに戻って座っている、という視点で見ることが多いです。
この本を読んでいると、中学時代のぼくがこの教室にいる情景が浮かんできました。
自分の子ども達もこの教室で学んでほしいなあとつくづく。



学校教育に対する危機感。
これからの子ども達が、毎日通う学校。
そこで何が行われるのか。

そこでどんな子ども時代をすごすのか。

白黒で割り切れない現実。
「教育」という、どこから手をつけていいかわからない大きなテーマ。

だがしかし。

ぼくらは小さな1教室で行われる、具体的な一歩から提案していくこと、を大切にしていきたい。
やれるところから、少しずつ。
ということを改めて強く思った本でした。


この本を読んだから、いろいろなことが「すっきりわかる」とはならないかもしれません。
自明だと思われていたことが揺れ、「わからない」となることもあるかもしれません。
この本はきっと、出発、なのです。



石川さん、ステキな本をありがとうございました。
それぞれ遠い地で、全く違うところから出発し、それぞれ実践を積み重ねてきましたが、20年の時を経てクロスし始めていることを嬉しく思っています。
いつか一緒に仕事ができますように。



個人的には、この本が、森絵都『宇宙のみなしご』の引用から始まるところがとても好きです。