この1年、子どもたちがぼくら大人をどんどん超えていく感じがしている。
ぼくらがあたまでわかっていること、それは例えば、異年齢が大事とか、子どもこそがつくり手であるとか、探究することの価値とか、自分自身で「わたしらしいわたしになっていく」とか。
彼らは、たくさんの経験の中で実感を持ってその大切さを当たり前のように手元に持っている。頭で理解できていても、なかなか体現できずにもがいているぼくの横を軽やかに超えていくんだよな。
>風越ってどんな学校?
ユキ:
「出る杭を育てる学校」。やりたいことを「ピュッ」って出したら、それを刈り取るんじゃなくて、「よーし、育てよう!」って水と肥料をドサーッてかけてくれる感じ。もちろん、育ちすぎると他の花の栄養を奪うこともあるけど、そういうこともあっていい。花壇じゃないところに咲いている花も草も、ぜんぶちゃんと大切にする。
モミ:
すごいわかる!普通は、花壇の中に咲いた綺麗なバラとかチューリップばかり大切にする感じがするけど、風越はその周りで雑草も伸びていて、その雑草も大切にする、ということが当たり前にできる学校かな。あちこちでいろんなものが芽を出していて、そのどれにも肥料をドバーッとあげる感じ。伸びろーって。
ユキ:よくわからないけどすげえ、みたいな人がわんさかいるじゃん。こいつもすげーあいつもすげーって見る癖がついた5年間だったな。だから困っていたり、自分がダメだなーってなっている人のすごいところがわかるようになったの。「いや十分お前はすげえんだ」って(笑)。
モミ:面白い人にたくさん出会ってきたし、面白いものをたくさんつくってきた5年間でもあるなって。風越ってゼロから自分たちでつくっていく、種から育てていくことがいっぱいあった。イチからじゃない、ゼロからなんなんだよ。その種から出たものは花でも雑草でもどんどん肥料をあげて育てていく。落ち葉だって掃かずにそのまま大切にする感じかな。荒れ放題に見えるかもだけど、生態系は豊か。綺麗で真っ白で整っていて、という学校じゃ面白くない。