いわせんの仕事部屋

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子どもと本をつなぐ

新年だ。だいぶ経ったけど。

思い立って今年は、文章にすることを頑張りたい。noteにするか、古いブログを再建するか悩んだが、結局はてなブログのほうに。

仕事のこと、プライベートのこと、読書のこと、Facebookから徐々にこちらに移行していくようにしよう。

一つ目はフェイスブックに書いたことをリライトして、記録として載せておきます。

 

子どもと本

子どもが安心して、自由にふるまえる空間、ていねいに選ばれた、一定の基準を満たす蔵書、それに、子どもと本の仲立ちをする大人、この3つの条件がそろっているところでは、子どもたちはどこでも、面白い本に出会い、楽しい時間を過ごせるし、現に過ごしています。そして、子どもが本当にくつろげる、快適な空間を用意するのは誰か、心を砕いて本を選ぶのは誰か、と考えると、この条件の中で、いちばん肝要なのは、子どもと本を結ぶ人だということがいえます。

(松岡享子『子どもと本』岩波新書)

 

肝要なのは「人」だと、松岡さんは言う。
空間づくりや蔵書の充実はもちろん大切だが、やはり「子どもと本の仲立ちをする大人」の役割が最も重要なのだと、改めて意を強くしている。
従来の「仲立ち」のかたち
学校図書館における「仲立ち」を考えるとき、従来は次の2つに分けて捉えられてきた。

①間接的な仲立ち
「学校図書館便り」「本の展示」「POP」など、本を手に取ることを促すさまざまな手立て。
②直接的な仲立ち
カウンターでのレファレンス、ブックトークや読み聞かせ、ストーリーテリング、図書館利用の授業など、一定の枠組みを持った場での働きかけ。


これらは確かに大切な実践だ。しかし、風越での5年半の経験を通して、この②をもっと拡張して考えることが大切だと実感した。

 

「風」のように学校を吹き抜ける


風越では司書教諭は、校内を縦横無尽に動き回っている。授業に顔を出し、そこで子どもやスタッフとやりとりする。休み時間に出会う子どもたちやスタッフともたっぷり対話する。
まるで「風」のように学校中を吹き抜けながら、さまざまな子どもたちやスタッフの実践に出会っている。
そのやりとりは探究や知りたいことの相談、読書の相談、ただのおしゃべり、時には悩み相談にもなる。たくさんの関わりを日々生み出している。スタッフからは授業の相談、単元づくり、プロジェクトの設計について声がかかるが、それだけにとどまらない。


日常的な関わりの中で、その子はどういう子なのか、どんなことに関心があり、これまでどんなふうに成長してきていて、今どんな感じで、どんな願いがあるのか——全人的な理解を深めていくプロセスが、自然と進んでいく。この関わりは、長い時間軸で子どもたちと一緒にいる学校図書館ならではのものだ。


この日常的な関わりの積み重ねの中で、どんな本をつなぐのか、そしてそのタイミングを探っていく。普段の授業の様子を見ているからこそ、子どもの姿を知っているからこそ、タイミングよく授業の相談にのれる。
カウンターから飛び出してつながっていく

それは、風のようにライブラリーを流れ続ける専門性だ。

 

すべての教員が「仲立ち」できるように


そして、ここからが大事なことだと思っている。
専門性の発揮とは、自分が仲立ちをすることだけではない。子どもの近くにいる一人ひとりの教員が、授業でも日常の読書でも、本と子どもの仲立ちができるようになることを支援することだ。
ぼく自身この環境で鍛えられ、5年半で随分できるようになった。まだまだ修行の身だが、日常的なやりとりの中で、本を手渡すタイミングや選び方、子どもの興味の捉え方を少しずつお稽古している。

このお稽古を大切に続けたいと思う。
それはその子自身と、その子の関心に関心を寄せるぼくらの教員としての専門性と真っ直ぐにつながっているはずだ。