いわせんの仕事部屋

Mailは「naoki.iwase★gmail.com」です。(★を@に変えてください。スパム対策です)

日常的&継続的なリフレクションプロジェクトの提案。

学校でこんなことしたらどうだろう?

 

校内での日常的な相互リフレクションによる教員の成長と学校コミュニティ形成

 

日本の学校には「授業のリフレクション」の提案はたくさんあるのに、「日常的なリフレクション」の方法は実は提案されていない。

どうしてだろう? 日常のリフレクションこそ大事なのに。

(『みんなのきょうしつ』参照)

みんなのきょうしつ

みんなのきょうしつ

 


研究授業のリフレクションのようなイベントだけでは、人は変われない。
「日常の継続的なリフレクション」と、「フィードバックやいい問いかけ」を相互に行うことで、教員同士が共に育ち合い、成長を促しあうコミュニティが生まれるのではないか? その中で個々の教員は成長していくのではないか?
「当たり前を問い直す→教育のイノベーション」のためには、日常のリフレクションが核になる。

という仮説をぼくは持っております。


そもそもなぜこんなことを行う必要があるのか?

学校が抱える課題は、例えば以下のようなことが考えられます。
 

①情報共有の不足、コミュニケーションの不足
②学級が孤業化している
③実践が「閉じている」(実践をひらくことへの恐れ)←他者の視点が必要
④日常的なリフレクションがない(「実践・体験」→「ふり返り」のサイクルこそ成長につながる)
⑤自身の視点の固定化(自分視点からだけ判断してしまう。専門性の高まりによる視野の狭さや、信念や思い込みによる自動的な行動が増える。)
⑥日常的に互いの実践から学ぶ機会の少なさ
⑦相互支援を進める仕組みの欠如
⑧圧倒的対話不足(他学年との壁)
 

この課題を克服する方法はないか?と考えつつ学校は忙しい。そこで記述による日常のリフレクションとその共有はできないものかと考えました。

 

記述によるリフレクションへの相互フィードバックの利点
 ①非同期でよいこと(時間を合わせなくてよい)
 ②言葉にすることで、思考や経験が言語化され整理されること
 ③記録として残ること(実践のポートフォリオとなる)
 ④他者の視点による気づき(開示することの良さ)
 ⑤他者の実践から学ぶ機会
 ⑥自己開示、援助希求、相互支援を促す
 ⑦認め合い、エンパワーし合える
 ⑧職員同士が学び合うコミュニティになる。

 

なんかうまい仕組みはないものか。ぼくがよくできてると思うのは、echoという振り返りサポートシステム。

www.asobusiness.com

簡単に言えば、オンラインでのクローズドのブログのイメージ。
・相互にコメントできる。
・スマホからもアクセスできる(いつでもどこでも)
・ワード形式で記録をダウンロードできる。
・安全なシステム
・子どもの名前の仮名への変換。

みたいなところが便利。

ぼくは今も使っています。

 

これを学校の教職員全員でやってみよう!書いてみよう!フィードバックし合おう!ということです。

 

 

とはいえ、学校で突然、『みんなでこれをやりましょう!』とか言っても反発は必至。振り返りの欠点(?)は、「その良さは続けた事後にしかわからない」からです。やる前は「なんのためにやるの?」と思いがち。

 

では学校でどうやったら導入できそうか。「はじめるにあたって考えなくてはならないこと(設計に必要なこと)」ってなんだろう。

そもそもなぜ継続的なリフレクションを行うのか?の共有。これが難しい。
となると、最初は「小さな設計」からスタートして自分たちでシステムを「育てていく」イメージ。数人からスタートして成功事例をつくるのもよい。自己組織的に広がっていくのがベターかな。経験知では3人くらいの小グループがベスト(人数が増えると読むことが負担になってくるんです)。参加者が増えたら、時々シャッフルしつつ小グループにするといいですね。

 

とはいえ実現にはいろいろな課題がありそうだなあ。

 

①例えばルールづくり。自分たちで創るプロセスが大事。例えば、

例えば↓
・持続可能であること(最低週1回以上? 1回でも5回でもOK。多いから偉いわけでない)
・やる気のある人もそれなりの人も乗れるように「フィードバックだけ参加」もOKにする?
・入りやすい入り口(いろいろな書き方の提案)
・短くてもOK。写真や動画を貼ってちょこっとコメントを書く、という方法もある。
・人(子ども、保護者、同僚)への批判(悪口)は書かない。
・誠実に書く。自分のために書く。

 

②フィードバックのルール例  ←これも職員で作ればよい。

例えば↓

0、私はあなたの振り返りに関心があります!一番いい読者であり続けたい、という構え。
1、あなたの話をこう理解しましたよ。と受け止める。
2、言いたいことは「一緒に考えたいオープンエンドな質問」に置き換える
3、共感できることに「いいね」を押す
4、教えない。どうしても教えたくなったら、資料として紹介する。
5、ユーモアを入れる。
6、読んでいて思い出した自身のエピソードを語る。
7、感じたことは素直に伝える。
8、自身も読むことで振り返り、一緒に「成長していく」という構えを持つ。
9、本質的な問いを探す。
10,文献やリソースは積極的に紹介する。
(さじ加減は「依存を生まない」「受け身にさせない」学習者へと誘導する。)
11,よい鏡であること。鏡を見れば学習者は気づく力がある。
 (『みんなのきょうしつ』より)

 

③スタートをするには、そもそもリフレクションとは?どんな風に書けばいいの?システムを使う練習、等々の研修をする必要があるな。2時間ぐらいあるとできそう。

 

④システムが使える環境作り(学校のパソコンからもアクセスできるか?)

これが一番の難関だったりして・・・・


④伴走者としてフィードバックをする練習。実はこれは、子どもとのやりとりと入れ子構造なので、教職員としてのトレーニングにもなる。

 

⑤予想される問題点
 ・続かない。やらされ感
 ・仕事を圧迫してしまう
 ・監視、評価されていると感じる人が表れる
 ・子どもや他者への批判を書き込む。
 ・フィードバックの義務感による負担感。
 ・相手を冷やすフィードバックにより、ぎくしゃくする。
 ・個人情報保護への対応

いろいろ課題はありそうだけれど、学校を大きく変える可能性があるなあと思ってます。実践研究する価値あると考えています。