いわせんの仕事部屋

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探究の伴走〜レファレンスにチャレンジ〜

軽井沢風越学園のカリキュラムにはこう書かれている。

「校舎の真ん中に広がるライブラリーには3万5千冊を超える蔵書があり、図書・雑誌・新聞が、いつでも手にとることができるよう子どもたちの活動に合わせて並べられています。ライブラリースタッフだけでなく一人ひとりのスタッフが、子どもの中に生まれた「ひらめいた!」「どうなってるんだ?」「◯◯が知りたい!」という思いを受け取り、本や情報、ときにはその世界に明るいスタッフや専門家とつないでいきます。」

https://kazakoshi.ed.jp/campus/curriculum/

一人ひとりがレファレンスできるようになることを目指している。
夏休みにはレファレンスインタビューの研修もあった。
校長であるぼくも日々お稽古中。
以下はそのお稽古記録。

蜂プロジェクト

今日はマイプロの日。校舎をうろうろしていると、2年生の2人に声をかけられました。

「あ、ごりさんでいいや。蜂の図鑑ない?」

(ごりさんでいいや、のところにライブラリースタッフへの信頼を感じる…よしがんばろう)

「蜂の図鑑?」
「蜂プロジェクト始めたんだよね」
「へえー蜂プロジェクト?」
「そう、蜂のこと調べようと思って。昆虫とか図鑑とかいい本ないかなーと思って」

「そっか、じゃあ一緒に見に行ってみよっか」
そう声をかけて一緒に歩き始める。

理科室前の昆虫コーナーに図鑑あるかなと思いそちらに向かいつつ、まてまて、そういうことじゃない。ここでそう反応するのは素人(よくやってしまう…)。

2人の知りたいことはなんだろう?そもそもなんで蜂なんだろう、どんな関心があるんだろうと思って、学んだことをもとにレファレンスインタビュー開始。

「蜂が好きなの?」
「好きっていうかね、前にプロジェクトで森歩いてて、蜂の巣見つけてひろってきたんだよ」
「へえー蜂の巣拾ったんだねー!」
「そして、それ落としちゃったんだけど、そしたらなんか蜜みたいのがたら〜って出てきたのね」
「うんうん」
「多分それがハチミツなんじゃないかなあーって思ってるのね」
「どんな感じだったの?」
「ちょっと黒っぽくて、蜜みたいだったんだよ。」
「へえー、蜜みたいなの見つけたんだねえ、みたかったなあ」
「あの巣、ハチミツだったのかなあ」

そうか、その辺りに関心があるんだなと知りつつ、スマホで検索システムで「蜂」「はち」で検索すると、「はちみつができるまで」という絵本が探究エリアにありそう。

そっちかもと思いハチミツの話をしながらスロープをあがって「探究エリア」のその辺りの棚をみると、蜂やミツバチ、養蜂関連の本がならんでいた。
なんと絵本は面だしされていた。さすが。

絵本を手に取りつつ,パーっと目を通す。そのあたりの本も一緒に眺めていると、「やっぱハチミツだったのかな」。とSくん。

「この絵本一緒に読んでみよっか?」
「そうだね」
というわけで近くのベンチに移動。
「はちみつができるまで」を対話しながら読み聞かせをはじめる。
ハチミツってどうやってできるんだろうね?
花粉じゃない?
でも、花粉はとろりとしてないよ。
などなどしゃべりながら。

読み進めると「あー、この本ちょうど知りたいことだ!!」とNくん。

一緒に絵本をながめ、おしゃべりしながらハチミツのつくられかたを一緒に学ぶ。「確かに巣にも白い蓋がついてたきがする」
「あの黒っぽい蜜は、ソバのハチミツに似てる」なとなど。

読み終わったら、「ごりさん、蜂の巣見せてあげるよ!」とNくん。ホームベースに一緒に向かう。「この白いのが、本に出てきたハチミツの蓋かなあ」と一緒に観察。

「この絵本と、このはちのすのってる図鑑借りよう」とSくん。

本と子どもをつなぐ。スタッフの大切な役割だが、これが簡単そうでなかなか難しい。外してしまうこともしばしば……。ま日々精進。
自分含め、それぞれのスタッフがチャレンジ中。f:id:iwasen:20241128163628j:image