いわせんの仕事部屋

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学習者中心アプローチの壁になること。

PBLをはじめとする学習者中心アプローチの実践が広がってきています。しかし「言うは易し行うは難しい」。
その難しさはどこに起因するのでしょうか。

これまでの一般的な授業形態であった、いわゆる一斉授業の力量を高めるには、これまで研究や先行実践の蓄積から、その技術的熟達への道筋がある程度体系化されていて、また身近にモデルとなる存在がいる場合も多く、比較的学ぶことが容易です。

 

しかし、探究の学びをはじめとする学習者中心のアプローチを志す場合、参照できる実践の蓄積も少なく、技術的熟達への道筋が必ずしも明らかになっていません。

身近なモデルも少ないため、海外の事例や自由進度学習に代表される「全体の枠組み」や方法論に意識が向かいやすく、例えば肝心の学習プロセスのデザイン,児童・生徒への関わりスキル,必要な教材研究を具体的にどのように学ぶかなどが見えにくいのです。

 

私たちは、学習者中心のアプローチを実践するために必要な学びを十分に重ねてきていないといえます。

 

さらに言えば、体験したことがないことを「実践」することの難しさがあげられます。私たちは、1万数千時間の被教育体験の中で、学校はかくあるもの、授業はかくあるもの、と無意識のうちに身体化されてしまっている可能性があります。ですから、自身が学習者として体験していない=実感知を伴わないを伴わないこと実践しなくてはならない、という困難があるのではないでしょうか。ですから実践して「うまくいかなさ」に直面すると、これまでの経験、これまでのやり方に戻ろうとすることで「うまくいかなさ」を解消しようということが起こりがちです。

 

もう一つ「活動の煙幕」問題があります。
学習者中心の学びは、多くの場合学習者の活動が中心になります。「活発に動いている」「交流している」「話し合っている」という活動が煙幕になってしまい、その学びの質に目がいきにくいのです。一人ひとりの学習者が何をどのように学んでいるのかへの視点が弱くなってしまいがちで、楽しそうだけど力がつかない、ということとも散見されます。

 

では私たちは学習者中心の学びを実践するために、何を学ぶ必要があるのでしょうか。

 

 

 

(その問いへのチャレンジが軽井沢風越ラーニングセンターの取り組みです。https://kazakoshi.ed.jp/klc/