いわせんの仕事部屋

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教室情景の見える化&インフォーマルなコミュニケーションの大切さ。

Facebookからの転載です。

 

【学校の情景の見える化】

 

 新学期スタート。保護者と良好な関係を作りたいと考える一方、コロナ禍で懇談会が行われるかも見通せず、どうやって関係をつむいでいくか悩む4月初めです。

 

保護者と直接会ったり話したりする機会も時間も極めて少ない。

その結果、共有できている情報や情景は、我が子から漏れてくる断片のみ。ごくわずかになります。

この情報の共有の少なさが「不信」や「不安」を招きやすい。

つまり、

 

・保護者にとっては学校での子どもや学級の様子がわからない(関心が高いにもかかわらず)。

・教員にとっては家庭での生活や、保護者の思いや考えを知るチャンスが少ない。

・直接コミュニケーションをとる機会と時間が極端に限られている。

・連絡を取り合うのはトラブルが起きた時(マイナス状況)が多くなる。

 

 

「幸せになってほしい。そのための力を身につけてほしい。成長してほしい」。

実は保護者と教員の思いは大きな方向で一致しています。場所は違えど同じ子の幸せに関わっているからです。にもかかわらず、保護者と教員はコミュニケーションをとる機会がほとんどありません。

 

お互いのことを知らないまま進んでいく学校。

保護者は、子どもからの断片的な話や噂(LINE等々・・)、かつての評判などの少ない情報から学級で起きていることを推測するほかありません。保護者も我が子の学級への関心は高い。少ない情報を何とか集めて全体像を想像しようとするのはある意味当たり前のことです。

 

一方教員にとっても保護者と関係を築く機会がほとんどなく、連絡を取り合うのはトラブルがあったときばかり・・・

 

これではいい関係を築けるはずもありません。

お互い違う情景をみながらの断片的なコミュニケーション。

同じ子を見ているのに、全く情景を共有していないのが現状です。

 

そこで、

【まずは学級でのポジティブな情報を保護者に伝えるチャンネルを複数持ちましょう。】

例えば、

 

・校内SNSを活用する

・写真や学級通信で様子を伝える

・教室のエピソードを電話や手紙、連絡帳等で、短くてもいいのでこまめに伝える

・会って話す機会を設ける

・参観や懇談会で子どもの普段のステキな姿を共有したり、保護者の思いや感想を知る機会を作ったりする。

・授業参加の機会をつくる、一緒に授業を創る    等々。

 

目的や状況、関心に応じて方法は山ほどあります。



教員は毎日子どもたちを見ていますから、一人一人の成長やかかわり、エピソードを見つけられる立場にいます。

それを様々な方法で保護者に伝えるチャンネルを持ちましょう。

例えば学級通信。授業の様子や子どもたちのエピソードを伝えることで、情景を共有でき「子どもを大切にしてくれている」ということが伝わります。

また個人的に電話や手紙、一筆箋などで、その子のポジティブな情報を伝える等々、方法はほんとうにいろいろ考えられます。

 

複数持つというのがポイント。一つのチャンネルだけでは共有できない可能性もあります。どのチャンネルが自分や保護者とマッチするかもわかりません。いくつかプロトタイプを試してみましょう。



その結果

子どもや学級の様子が保護者に伝わり、一緒に成長を喜んだり、保護者と担任が子どものことで対話できるようになっていったりして、良好な関係が少しずつ築かれていくはずです。

保護者にとっては、他の誰でもない我が子のことを知りたい!!(親として切実)。

 

【教室情景の見える化】で保護者とコミュニケーションをとるよいきっかけができるかもしれません。

今の学校では保護者がやれることが少ない。動くならまず学校、教員がきっかけ作りをすることが必要です。

 

何もせずにいい関係が作れる、なんてことはないのです。

実践やエピソードの発信の先の優先順位圧倒的1位は外部やネットではなく、まずは最も身近で「知りたい!」と思っている保護者です。「保護者対応」なんて失礼な言葉を使ってる場合ではないとぼくは思います。何も伝えてない(情報の非対称)のに、「保護者は分かってない」とか「いろいろ要求してくる」なんて失礼極まりない。



追記。
メールで、2年目の若い先生の相談に乗っていて気づいたこと、それは
「共有すべきエピソードを持っていない」≒一人ひとりとのコミュニケーションが少ない、ということです。

まずは一人ひとりとの関係をつくること。そのためにはまずは一対一のコミュニケーションの量です。一斉授業をしていてはその機会はなかなか難しい。

ぼくはインフォーマルな時間を活用していました。

朝早めに教室に行って子どもたちを迎え、登校してきた子たちとおしゃべりしたり、ゲームしたりする(相手は毎日変えて公平であることが重要)。
休み時間、給食の時間にも毎日相手を変えておしゃべりする。

行間休みは、子どもと一緒に遊ぶことの優先順位をあげる(これほんと大事)。
このようなインフォーマルなコミュニケーションの時間が実は最も大切だったりするわけです。まずは一対一のコミュニケーションの量です。

これだけで結構なこと解決するんじゃないかな。

 

学級の名簿を見てみましょう。一人ひとりとどんなコミュニケーションをとったでしょう。どんなエピソードがうかぶでしょう。その子はあなたといい関係を築けている、と思っているでしょうか。


若いうちは、例えば授業の技量が高くないのは仕方のないこと。でも年齢が近い分、関係をつくりやすいかもしれない。悩む前に手と足を動かしましょう!

コミュニケーションの壁を下げるべきは、まずは自分です。自分から子どもに向かっていくのがスタートです。先生としてではなく、ひとりの人として学級のすべての人と出会いましょう。豊かな関係をつくっていきましょう。

朝、学級の子に会ったら、「おはよー!昨日さー」と向こうから話しかけてくれておしゃべりがスタートするようになっていたら、「先生ってクラスのみんなと仲いいよね」と公平に見えるようになっていたらいいなーと思います。



では良い1日を!