日本休み時間三大芸能と言えば、
フルーツバスケット
ハンカチ落とし
ドッチボール
です。昭和から面々と続くこれらの伝統芸能。
外に行ってはドッチボール。
雨が降ったと言えばクラスレクでハンカチ落とし。
お楽しみ会と言えばフルーツバスケット。
ぼくの子どもの頃もそうだったなあ(遠い目)。
で。
これらの伝統芸能は、教師にとっては「レクをやって子どもたちの関係性がよくなるといいなー!」なんて思ってやるわけですが、子どもたちのモチベーションや関係性をめちゃめちゃ冷やす三大レクとも言えます(当社比)。
なぜか。
○活躍できる人が決まっている。
ドッチボールは顕著です。うまい子がボールを取る、投げる、あてる。他の人はひゃーとか言いながら逃げ回るほかない。運悪く当てられて外野に行くともうおしまい。
ボールが回ってくることはほとんどなく、ぼーっと経っているか、グラウンドにお絵かきをするしかない。
うまい子が外野に来ると全てのボールを奪って投げる。
力関係がもろに出るスポーツです。ほとんどの人は全然おもしろくないんだよね。
ハンカチ落としもそうなりやすい。「力」のある人、仲良し同士でハンカチを回しあう。一部の人だけで盛り上がり、後の人はただ座っているだけ。
○罰ゲームや負け、ボールがこわい。
フルーツバスケットは典型。鬼になるのが嫌で必死で席を探すことも。負けにならないように必死で動くゲーム。下手したら罰ゲームがあったりすることも。ドッチボールは当てられること自体がこわい人もいます。そりゃそうだ、痛いもの。
○かかわりが限定的。
三大レクを通じて子どもたちの関係性が広がったり豊かになったりすることはまずありません。ほとんどコミュニケーションもなく、相談することも、協力することもほとんどない。みんなで遊んでいるようで、実はバラバラしてます。
○待ち時間が長い。
ドッチボールは外野にいったらぼーっと時間が過ぎるのを待つ。あー早くチャイムならないかなあ。
ハンカチ落としは時間の中で一度もハンカチが回ってこないことも多々。ぼーっと時間が過ぎるのを待つ。あー早くチャイムならないかなあ。
フルーツバスケットもなかなか自分の該当が回ってこないとぼーっと・・・(以下略)。
待ち時間が長くなると端的につまらない。
なので「何とか楽しもう」とする人たちは新たな技を発動します。ふざけはじめるのです。
わざと鬼になったり、転んでみたり、イスを取り合ってみたり。
遊びを楽しくしたい!と思うのはとても自然な行為。三大レクの構造がこのような行動を促していると言えます。
しかし・・・教師の「保安官バッチ」が作動します。
ふざけるならもうレクしません!
シーン。
あれ、なんのために遊んでるんだっけ?
○にもかかわらず参加が強制される
つまらないのに参加が強制される、これが一番問題です。「ぬーけた!」と辞める自由があればいいのに。
せっかくなら楽しいことがいい。
せっかくなら関係性が広がったりワクワクしたりするのがいい。
そもそも遊びとは子どもの「~したい」から出発する自己主導なもの。
そもそもは「あそばせる」ものではないですよね。
ぼくが担任の頃はSけんが一番人気でしたが、その中でも教室の畳みコーナーでのんびり本を読んでいる人もいる時は、いい感じ。
自己選択・自己決定のないことは遊びとはいえないのでしょうね。
三大芸能はそろそろ博物館に飾ってはどうだろう。