子どもが「ハムスターを飼いたい」と言い始めたら。
今日は命とか、健康とか、いろいろ考える1日でした。
人の命から派生し、連想ゲームのように自分の飼ってきたペットのこともあれこれ思い出し。
ああそういえば学級でもいろいろ飼ったなあと。
さて。
「ハムスターを飼いたい!」
と子どもが突然言い始めたら。
我が家の子は「犬を飼いたい!」と言ってぼくを困らせています。
ハムスターなら考えるのにね。
で、ハムスターです。
ある年の6年生の4人。ペット会社というのを設立し、朝のサークルで、
「ハムスター飼いたいんだけど」と言い始めました。
学校でハムスターを飼うとなると、いろんな困難が予想されます。
管理職とも相談しなくちゃならないし。学年の先生とも相談だな-。
という具合につい、「めんどうなことになりそうだなー・・」という気持ちがちょっと頭をもたげちゃいます。
でも、「〜したい」って大事なスタート。学校の表向きのストーリーに、子供達と一緒に向き合って変わる可能性を探るのもいいな。ルールはよりよく変わるものだから。
というわけで、クラスのメンバーで一緒にどうするか考えることにしました。
「うーん、そうかあー。どうしたらいいかなあ」
「校長先生に聞きにいく??」
「確かにね。アレルギーのある人もいるかもしれないし、この学校でそのような動物を飼うのは初だろうから、校長先生に聞くといいかもね。」
早速子ども達は校長室へ向かいました。
「どうだった?」
「0.1秒でダメって言われた・・・」
0.1秒って(笑)
「理由も聴いた?」
「うん…」
生き物は命。休みの日や夏休みはどうするのか。アレルギーがある子がいた場合はどうするのか。逃げる可能性もある。そもそも全員が飼いたいのか。
ここで諦めちゃつまらない。粘るからこそ楽しくなります。ここから4人の長いチャレンジが始まります。
アレルギー対策をどうするか。
土日、長期休みはどうするか。
逃げちゃう危険性は?
クラス全員にアレルギー調査を行い、アレルギーと返答があった家庭には、
「ハムスターを飼っても大丈夫か」
というお伺いの手紙を。
それをグラフにまとめて校長説得用プレゼン。
小屋やえさは、手紙を配布して、かつて飼っていた人から無事ゲット。
土日、長期休みの預かる順番表も作成。
ハムスターをくれそうな先も確保。
1ヶ月半かけてじわじわ準備していました。
「〜したい」の力、おそるべし。
この試行錯誤こそ楽しい(本人達は「楽しい」じゃなくて真剣ですが)。
この楽しみを奪わないのって大人の大事な役割だなあと改めて思います。
一緒に「どうしたらいいか」を考え、一緒に楽しんでそばを走っている感じ。
「全員飼いたいのかって聞かれたんじゃなかったっけ?」
「それはいいの。全員のわけないから。私たちが飼いたいの。みんなからはOKもらってるから」
確かにそれでいいな。
1ヶ月半後。教室で何度もプレゼンのリハーサルをして、
満を持していよいよ再度校長室へ。
「ここまで調べたのか。よしわかった。いいでしょう。」
大喜びで走って帰ってきました。
校長先生、ステキだなあ。何が大事かの優先順位がぶれない方でした。
粘り強く取り組む。これって実はすごく大事なこと。
ついにジャンガリアンハムスターがやってきたのでした。
1ヶ月半かけたからこそ、その分かわいいわけです。
「飼いたいんだけど→いいよー明日飼ってあげる」とは全然意味合いも価値も違う。
ちなみにこのハムスター、この後いろいろな事件を巻き起こしてくれます。
宮台は、学びの動機には3種類あるといいます。
「競争動機」「理解動機」「感染動機」。3番目の「感染動機」がもっとも強い動機になるそう。
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多様な人、多様な価値、多様な事柄に出会い、刺激しあう時間、空間、仲間。