いわせんの仕事部屋

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最近読んだ本。

なんだかばたばたしております。

備忘録的に、この2週間で読んだ本を挙げておきます。

五つ星での評価。

★★★★★  必読。万難を排して読んでほしい。

★★★★  まあまあよかった。読んで損なし。

★★★  普通。興味があれば。

★★   うーん。ぼくにはあわなかったなあ。

★  うーん、うーん。正直お薦めしない。

という主観的な評価です。

特に最初に取り上げる2冊は丁寧に書評を書きたいのだけれど、時間が取れず、このままでは流れていってしまうのでとりあえず書名だけでも、とあげておきます。

 

科学が教える、子育て成功への道

科学が教える、子育て成功への道

  • 作者: キャシー・ハーシュ=パセック,ロバータ・ミシュニック・ゴリンコフ,今井むつみ,市川力
  • 出版社/メーカー: 扶桑社
  • 発売日: 2017/08/19
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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 ★★★★★

これは必読中の必読。新指導要領でも「資質・能力」に焦点が当てられていますが、非認知能力への注目度が高いです。

 

この本で挙げられている6つのC。

コラボレーション

コミュニケーション

コンテント

クリティカルシンキング

クリエイティブイノベーション

コンフィデンス

 

この6つのCは、子どもの発達についての研究にもとづいた何十年にもわたる学習科学の成果から生まれているのがポイントです。ただの直感とか経験知じゃないのよね。

このスキルはm持って生まれたものではなく「学ぶことで伸ばすことができる」スキル。これすごく大事。もう一つのポイントは、これは教えるためのスキルではなく、学習者自身に焦点をおいた「子どもがどう学ぶか」であること。この6つはカリキュラムの視点にもなるし、なによりプレイフルに学ぶことの価値を再認識させてくれます。

いやあすごい本です。翻訳もすごく読みやすく(さすが市川さん!)、これからの教育には必読書です。タイトルがキャッチーですが骨太です。

 

 

私たちは子どもに何ができるのか――非認知能力を育み、格差に挑む

私たちは子どもに何ができるのか――非認知能力を育み、格差に挑む

 

 ★★★★

「豊かさのなかで育った子供にあって、貧しさのなかで育った子供にないものはなんなのか?」というストレートな問いに答える本。この本もまた非認知能力に焦点を当てています。

「非認知能力は教えることのできるスキルである」と考えるよりも、「非認知能力は子供をとりまく環境の産物である」と考えた方がより正確であり、有益でもある。

 

〜子供たちのやり抜く力やレジリエンスや自制心を高めたいと思うなら、最初に働きかけるべき場所は、子供自身ではない。環境なのである。(p27)

非認知能力が注目されると、それにすぐにストレートにアプローチする=教えるということをしがち。でもこれは間違い。

ということは、学校にできることがある、ということ。

その環境作りの視点として、デシ&ライアンの自己決定理論を論拠に具体的な提案がなされています。ぼくも学級経営の授業ではこの自己決定理論を紹介しているので、その点ではちょっとうれしかった。なにより非認知能力を個別の技能ではなく、「子供たちが学習をしている現場の状況に大きく左右される習慣や態度、ものの見方である」としている点が興味深い。学校でどのような継続的な体験の積み重ねができるかが決定的に重要ということです。

後半で紹介されている学校もチェケラ!です。サイトは英語だけど・・・・・・・

ポールタフの本はこれもおもしろい。

成功する子 失敗する子――何が「その後の人生」を決めるのか

成功する子 失敗する子――何が「その後の人生」を決めるのか

 

 つづいてはこちら。

あの学校が生まれ変わった驚きの授業:T中学校652日物語

あの学校が生まれ変わった驚きの授業:T中学校652日物語

 

★★

テレビでも取り上げられていましたね。読んで損はないけれど…ぐらいでした。これぐらいの実践が注目されるということは、逆に今の学校教育の内実を問われていると思わされます…

作ることで学ぶ ―Makerを育てる新しい教育のメソッド (Make:Japan Books)

作ることで学ぶ ―Makerを育てる新しい教育のメソッド (Make:Japan Books)

  • 作者: Sylvia Libow Martinez,Gary Stager,阿部和広,酒匂寛
  • 出版社/メーカー: オライリージャパン
  • 発売日: 2015/03/25
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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 ★★★★★★ (6つ!)

これはすごい。すごすぎる。この本を読んで以来、教科カリキュラムの再編イメージが止まらず大変です。今、このタイミングだからこそ読むべき本。パパートのいう構築主義は、今こそ検討すべき学習理論です。この本に触発を受け手、CANVASの石戸さんの本を再読。

子どもの創造力スイッチ!   遊びと学びのひみつ基地CANVASの実践

子どもの創造力スイッチ! 遊びと学びのひみつ基地CANVASの実践

 

★★★★★

本は読むタイミングによって伝わるメッセージが違う。軽井沢風越学園のカリキュラムづくりをしていて、「作ることで学ぶ」を読み、このタイミングで読むと響きます。CANVASの実践のすごさに圧倒されます。

canvas.ws

学びと遊びを、「学校と学校外」にわけないで「まぜる」。アイデアを深めたい。

石戸さんの本を改めて一気読み。

子どもたちは電子羊の夢を見るか?(1) 0歳からはじまるデジタル教育 (カドカワ・ミニッツブック)

子どもたちは電子羊の夢を見るか?(1) 0歳からはじまるデジタル教育 (カドカワ・ミニッツブック)

 
 

子どもたちは電子羊の夢を見るか?(3) よみかきプログラミング (カドカワ・ミニッツブック)

 
デジタル教育宣言 スマホで遊ぶ子ども、学ぶ子どもの未来 (角川EPUB選書)

デジタル教育宣言 スマホで遊ぶ子ども、学ぶ子どもの未来 (角川EPUB選書)

 

 

 ★★★

幼稚園、保育園の新指導要領を理解するために。わかりやすかったです。

 

デューイ・スクール―シカゴ大学実験学校:1896年~1903年

デューイ・スクール―シカゴ大学実験学校:1896年~1903年

  • 作者: アンナ・キャンプ・エドワーズ,キャサリーン・キャンプ・メイヒュー
  • 出版社/メーカー: あいり出版
  • 発売日: 2017/07/01
  • メディア: 単行本
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臨床心理学増刊第9号―みんなの当事者研究 (臨床心理学増刊 第 9号)

臨床心理学増刊第9号―みんなの当事者研究 (臨床心理学増刊 第 9号)

 

 この2冊は自分の研究のために。両方とも味わい深い。

 

ノーミソがつかれたときは小説を。

月の満ち欠け 第157回直木賞受賞

月の満ち欠け 第157回直木賞受賞

 

★★★  佐藤正午らしい物語でした。『永遠の1/2』の方が好きだったな。

AX アックス (角川書店単行本)

AX アックス (角川書店単行本)

 

★★★  連作集。『グラスホッパー』等に比べるとパンチが弱い。おもしろいんだけどね。

 

よるのばけもの

よるのばけもの

 

★★★★

「君の膵臓をたべたい」も 「また、同じ夢を見ていた」の2冊はぼくの中ではすごくよかった(特に後者)。「君の膵臓をたべたい」は我が家の家族を次々と号泣の渦に飲み込んでいます。

君の膵臓をたべたい (双葉文庫)

君の膵臓をたべたい (双葉文庫)

 

 「よるのばけもの」も前作2作に叶わないもののよかったです。この作家はこれから楽しみだなあ。

 

さあ、明日は徳島出張日帰りです。

朝4時に起きて向かうぞ-!!うおー。