いわせんの仕事部屋

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カードを使った振り返り

最近クラスで少しずつ問題になっている「言い方のきつさ」。
きつく言っている人も、相手を傷つけようと思って使っているわけではないのですよね。
一生懸命になっているからこそ、夢中になっているからこその口調のきつさだったりするわけです。




          *  *  *
 


そのことを考えるために昨日、今日とプロジェクトアドベンチャーのアクティビティをしました。

と言ってもルールは簡単。
体育館の一方の端から、ビーチボールを地面に落とさないように反対側の端に置いてあるフラフープの中に入れるだけ。
(ただし、一人の人が2回連続触ることができない)

「向こうにある瀕死の象さんの鼻の穴に、早くこの薬を届けてあげ て!」というファンタジーで(^_^;)


「今日の目標は <プラスの口調を意識して使う> だよ。」
と狙いを子ども達に明確にしました。

一チーム14人でやったのですが、これが簡単そうで結構難しいのです。
なかなかうまくいかず、夢中になるうちに予想通り言い方がきつくなってきました。

「ちゃんとやろうよ!」
「しっかりうって!」
「早く並べよ!」

等々。


あるチームは成功したのですが、チームのメンバーに満足度を聞くと、夢中で大声で引っ張っていた人たちは満足度100%だったのに比べ、何人かの子が50%以下と表明しました。

「どうして50%以下だったの?」

「・・・・・・・・言い方がきつくて、なんかつまらなかった」
「言い方がきついからやりにくかった・・」

「じゃあ、そういってくれればいいじゃん!」

「・・・・・」

「クラスでも似たようなことあるかなあ」
とボク。

「ある・・・」


みたいなことがあった昨日。


こういう違和感がちゃんとクラスの中で出されるようになったのは、クラスがチームとして進歩してきたからです。
なかなかこういうことは言いにくい。
「だってそういうともっと言われそうだもん」
と言う声を聞きます。

せっかく出てきた声。これはクラスが進歩するチャンスです。

「イワセン、なんとかやり直したい」
「もう一回やる時間ほしい」

と言っていた子が何人もいました。
やっぱりチャンス。


          *  *  *


昨日クラスでの問題が、アクティビティの中であらわになりました。
PAのアクティビティって時に「日常を再現」します。
そして考えるきっかけになるのです。


昨日を受けての今日。
その時間をとるのがとても大切だ、と直感がボクにささやきました。

朝、
「イワセン、何時間目に時間とってくれる?」とすぐに聞きに来た子も。ひっかかっていたのでしょう。


時間を確保し、子ども達にこう投げかけました。

「昨日の振り返りを思い出して、今日はどんな風にチャレンジしたいか、よく考えてからやろうね。」
「やる前に一人ずつ<今日はこんな風に参加したい>という思いを確認してから取り組もう」
「ボクらのクラスにとって、この1時間はきっととっても大切な時間だと思うんだ。学級目標のようなクラスになるために!」



丸くなって一言ずつ話し始めました。
遠くで見ていました。


お!円陣を組み始めた!


昨日と明らかにチームの雰囲気が変わっていました。
「なんか意見ない?」
「次1番にやりたい人いない?」
と話を振るようになってました。

うまくいかなくても、プラスの言葉を意識してチャレンジし続けていました。
制限時間30分のうち、残り1分!

ほぼ同時に2チームが成功したのでした!!!
同時というのが何とも奇跡的!

昨日とは明らかに空気もやる気も表情も違いました!




振り返りは、「フルバリューカード」を使いました。
このようなカードがあると子ども達の振り返りの言葉はどんどん引き出されていきます。

「今の気持ちにぴったりするカードを選んで」
「そのカードをなぜ選んだのかをチームのメンバーに紹介してね!」

170枚近くあります。
これを2セット使いました。
いろいろ気持ちを表す言葉や写真のカードがあります。


この星雲のカードを選んだ子も。
「最初はこのまわりの星みたいなチームだったけど、今日やっていくうちに、このチームが真ん中の光みたいになったから選んだ」
と話していました。

「このオジサンが積んでいる石が、おれたちみたいだった。今ってこの石を積んだ感じ。ひとつでもなくなると崩れるみたいな。」



ひとつのチームが選んだカードの数々。
一人一人の気づきと学びの結晶です。


「プラスの言葉が嬉しかった!」
という振り返りもとても多かったです。

「新」というカードを選んだ子は、
「何か、昨日と今日ではチームが新しくなった感じがする」。



カードがあると、本当に振り返りの言葉が増えます。
話したり、自分の中の気づきを言語化する手助けになるみたいです。

15分でも収まらず、「もっと話したい!」というほどでした。



大きな体験になった2日間でした。
少しずつクラスでの言葉が、これをきっかけに変わっていくといいな。

きつくなってきても、
PAやったときの1日目と2日目の違いを思い出してごらんよ」

で思い出せるはず。



         *  *  *


今日はさらに「こそこそばなし」のロールプレイも教室でやりました。

日々勉強ですね。