ボクの学校では、12:30〜1:15が給食の時間。
1:15〜掃除です。
給食の配膳。
4月にルールを決めて運用してきたのですが、イマイチうまくいきません。
というかジリジリと悪くなってしまっています。
配膳の時間がかかってしまい、食べる時間が短くなったり。
残菜が多かったり。
片付けが雑だったり。
給食の配膳中に、仕事のない人は読書をすることになっていたのですが、その時間も全然とれていませんでした。
掃除の前に連絡帳を書くことになっているのですが、それすらままなりません。
困った困った。
でも。
ピンチはチャンスです。
ボクが新しいルールを作って提示してもよいのですが、このクラスのオーナーは子ども達です。
うまくいっていないルールは自分たちで見直してよりよいものに改変していく。
それはとても貴重な体験ですし、社会に出ても通じる体験。
そこで、今日は「どうすれば給食の配膳がうまくいくか?」のミーティングをしました。
子ども達から出た意見をどんどん書いていき、おおよそ出尽くしたところで、
その中からいくつかのアイデアを選んで、改善策が決まりました。
全員でやったので、黒板を使いましたが、
話し合いの方法は、子どもたちにもすっかり馴染んできた
「ホワイトボード・ミーティング」
です。
決まったことは、
①連絡帳は朝書くことにする。(ボクは前の日に、次の日の連絡を黒板に書いてから帰る)
②配膳の仕方
A案 全員が並んで、どんどん給食をとっていく。
B案 各班2名ずつ、ウエイター、ウエイトレス役の人がでてきて、給食を配って歩く。
※2つの案が出たので、今日と明日、両方試してみる、ということになりました。
時間が早い方採用です。
③配膳台をまず「すぐ」ふく。
当番が着替えている間に、「給食準備ちょこっとボランティア」の人たちが、給食を運んできて、配膳台に並べる。
→ボランティアには11人が登録してくれました。
④ストップウオッチで時間を計って、時間を縮めていく。
⑤ゆっくり給食を食べる。
→それによって、お代わりの時間の余裕ができて、残菜がへる!予定。
⑤給食の片付けも「給食片付けちょこっとボランティア」の人たちのサポートで手早く片付ける。
→ボランティアには6人が登録してくれました。
⑥歯磨きの後、ゆっくり読書!
さあ、これでうまくいくでしょうか?
子ども達にとっては、配膳の時間が「自分たちで改善したチャレンジの時間」になって、
4時間目終了前からやる気十分。
そして結果。
今日は配膳もらくらく。7分くらいで終了。
おかげで給食も、時間にゆとりを持って楽しく食べ、
お代わりの余裕もあって、残しものゼロ!
片付けも手早く終わって、
歯を磨いたあと8分ぐらいゆっくり読書できました。
すごい!
自分たちで、自分たちの生活を改善していく。ルールを改善していく。
またクラスが一歩階段を上りました。
ジャーナルには喜びの声があふれていました。
「話しあって、アイデアだせば、解決できるんだな−。次からもそうしよう」
「給食改善!ほんとよかったー!」
「最初から、こういうふうに話しあって解決していれば良かったな−」
* * *
6時間目は、久々にプロジェクトアドベンチャー。
ヘリウムフープをやりました。
簡単そうで難易度の高い課題解決のアクティビティ。
いろいろな葛藤があったようです。
最初はワイワイ楽しそう。
そのうち、うまくいかずにお互いを責め合い始める。
マイナスの言葉が飛び交い、チームの雰囲気はドンドン下がり、
そして、解決からドンドン遠くなっていく。
途中、
「声合わせてやってみようよ」
「せーの!」
という声から動き始めるチーム。
ぐぐっと集中が高まり、プラスの言葉が増えていく。
やがて、成功へ至るチーム、そのまま達成できないチーム。様々でした。
振り返りの中で、いい学び、いい気付きがあったようです。
体験を通して学ぶ。
体を動かして学ぶ。
そうやって学んだ方が、より深く学べる子もいます。
いろいろな形で、いろいろな方法で学べる時間を増やしていきたいなあと思っています。
★振り返りジャーナルより
●ヘリウムフープ、正直言ってなめてました。
見た目はやさしく、中身は手強い・・・
やっているとき、私は、
「むずかしい・・・」
とか、
「絶対本気出してないよ!」
とか思っていて、思いっきりマイナスの言葉をかけて、ざんねんなことに、プラスの言葉がまったくなかったんですよ。
「うちらのチームはすごいから、他のチームより先に成功するし!」なんて思ったりもしてて・・・・
うまくいったときと、いかなかったときの違いってなんだろう。
やっぱり気持ちかな。
でも本気になろうとしても、なかなか成功しなかったし。
感じたことはひたすら難しい。
あ、人を責めちゃいけないなあって思った。
やっぱりPAは楽しい!
●「もうだめだー」
「○○と○○、あがってるよー!」
「最悪−!」
マイナスの言葉がもうすごい!プラスの言葉を出そうとしているんだけど、マイナスの言葉だらけ。
いやなことがあると、うまくいかないと、自然にマイナスの言葉がでてしまう。
「さげろよ!」
「さげようとしてるんだよ!」
たしかにそう。みんなさげようとしている。
だれもあげようとなんかしていない。
でも、さがらない。
マイナスの言葉でいっぱいだったけど、なんとか成功。
途中の振り返りで、いろんなことがでたので、それを生かしたからかもしれない。
やっぱりプラスの言葉大切にしたいなー。
●せめても、全然うまくいかないんだよね。不思議なくらい。
プラスの言葉にすると、どんどんうまくいってきた。あと息を合わせるのがすごいだいじ。
せーの!と声かけて息をあわせたら、すーっと下がった。
* * *
今日読んだ本はこれ。
正しく決める力―「大事なコト」から考え、話し、実行する一番シンプルな方法
- 作者: 三谷宏治
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2009/01/17
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昨日、富士ゼロックスKDIでお会いした三谷さんの本です。
いやー、おもしろかったです。
実践のヒントをたくさんもらいました。
明日はこれを読みます。
- 作者: 三谷宏治
- 出版社/メーカー: 実務教育出版
- 発売日: 2011/03/15
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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