子どもの言葉より
クラスがスタートして6日目の子ども達の言葉です。
(振り返りジャーナルより)
算数を題材にしたアクティビティで、
1時間目「自分の力だけで問題に取り組む。リソースは先生だけ」
2時間目「みんなの力で問題に取り組む。リソースはお互い全員」
学び合ったり、質問したり、教え合う有用性を2時間の体験の差から気づくことをねらいとしました。
その前の国語の時間で、チームで学ぶことの素晴らしさ、お互いがリソースである、ということを実感できていないと観察できたので、このようなチャレンジをしました。
Aくん
1日目
2時間目やっているときに、教えたかったし、教えてほしいことがあった。
○○も教えてほしかったと思う。
2日目
今日の気分はスマイル!
○○が納得してくれたからうれしかった。昨日は教え合いができあいので最悪でした。でも今日のオレは、○○に教えることが出来てうれしかった。最初の国語の授業では○○に教えられなかったこと、○○は困っていたのに、今思うとショック・・昨日は今日みたいに出来なくて、○○にあやまりたい気分です。
Bくん
1日目
1時間目、(あまり教え合わず自分のことだけやっていても)そんなになにも感じなかったのに、算数の「自分だけでやる時間」ではなんかすごくいろいろなことを感じた。最初の国語ではなんで教えに行けなかったのだろうか。なんで2時間目はあんなに教えにいきたいと思ったのだろうか。
2日目
今の気分、疲れたけどスッキリした。昨日と今日を比べると、いやな気持ちにならないし、教えないで疲れるよりは、教えて疲れたほうがましだと思いました。みんなも自分から教えてほしいのか、教えてほしくないのかを言ってくれて、とてもわかりやすかったし、。昨日は教える方も、教えててもらう側も悪かったと思った。
Cさん
2日目
今日はうれしかった!昨日は教えたいのに、教えられるのに教えられなかったから、悔しかった。こまっている人がいるのに見ているだけで何にも出来ないなんて!それに比べて今日は・・・全然ちがう!楽しかったよ!自分のもやりつつ、Dくんに教えて最後の最後に分かったみたいで良かった。
Eさん
今の気分はハッピー!です!なぜかっていうとFさんに教えてあげられたからと、いろんな人が教えに来てくれたからです。Fさんと友達になれそうです!わからないときはすぐかけつけてくれたから、自信もでた!「自分も人に教えてあげられるんだ!」ってことを!自分で思っていたけど、やっぱり教え合いは6−1に合っていると思います。
あと、私、安心ゾーンから、チャレンジゾーンにいけるようになったようです。
Gさん
1日目
今日の算数でわからないところがいきなり出てきて、どうしようと思ったけど、だれもおしえてくれなかったから、わからないままで、時間も限られているから、急いでやらないといけないし、前でH君とIちゃんが「わからないよー」って言っていて教えたいのに教えられなくて時間が来てしまって教えてほしいし、教えたいしで、くやしかったです。何かわからない人の気持ちがわかったきがします。
私は、6−1を本当に楽しい!いろんな意味で楽しいクラスにしたい!仲間はずれがいなければ、悲しい思いをする人なしで、みんなが楽しい。チームワークがよければ楽しいし、みんなが明るければみんなが楽しいし、悪口がなければ、みんな安心して楽しいし、本音とか悩みを聞いてくれる人がいれば、悩みが解決して楽しいからです。
そのためには悩んでいそうな人に声をかけたり、困っていそうな人に声をかけてあげる!
そんなクラスにしたいし、そんな私になりたいです。
2日目
わからなかったら教えてもらえるし、わからない人がいたら、教えられたから気持ちがよかったです。やっぱり教え合いっていいねー!
昨日と比べてわからない問題があったとき、Iちゃんがすかさず、
「どこかわからないところある?」って聞いてくれてわかったし、私は公倍数を求めるのがおそいから良い方法がないかなーって思っていたら、Jちゃんが教えてくれて早くわかるコツがわかった。聞くっていいねー!
K君
2日目
今はとても最高。やっぱり上手くいった。教えに行ったり教えてもらったりした。やっぱり教え合いは大事。今日という日を大事にしたい。
Lさん
1日目。
私はこのクラスをどうしたいかというと、まず今日みたいなクラスはいやだ。算数だけじゃなくても国語でも他の教科でも教え合いはするようにするって決めた。もし自分がわすれてしまったときは、クラスのだれかが築かせてくれる。自分が知らないことも、どうすればいいかわからないときも、気づかせてあげられるクラスにしたいです。自分がしたいクラスは、自分がつくるものだと分かっているのだから、必ずそうできるようになりたいです。
クラスづくり
4月8日の始業式から9日目。
最初の2日間はほとんど授業時間がなかったのでおおよそ7日間。
この7日間はクラスづくりに全勢力を注いできました。
・クラスが子ども達にとって安全であり、安心な場所になること。
・お互いがプラスの言葉かけやポジティブなコミュニケーションがとれるようになること
・チームワークの大切さと素晴らしさを実感して、みんなでゴールを目指していく気持ちになれること
・一人ひとりが大切な存在であること
・このクラスをよくしていくのは、居心地よくしていくのは、子ども達自身であること
・これから1年先のビジョンをみんなで共有すること
これらを伝えること、実感することに、日々ボク自身が振り返りジャーナルをつけ、日々振り返りながら丁寧に、実践してきました。
今日の子ども達の様子を見て、
「すごく良い感じだなあ!」
と実感できました。
あたたかくて、前向きで、ほんわかしていて、お互いをケアしていて、チャレンジングで。
ボクのクラスには、補助で入ってくださっている方がいるのですが、今日の放課後その方にインタビューをしたところ、
「出来過ぎなくらい、いい関係になっていて、お互いが優しくて、みんな前向きで驚いています」
との言葉をいただきました。
ボクも驚いています。子ども達の力を信じれば、子ども達はステキなクラスを創っていくのですよね。
とても充実した7日間でした。
この7日間でしたことを箇条書きしていくと・・・
・朝の読み聞かせ
→5冊読みました。
1冊1冊にメッセージを込めました。
・プロジェクトアドベンチャー
→「みんなでゴールを目指す」をねらいとして。
・総当たりインタビュー(お互い知り合う活動)
→全員と言葉を交わす機会として。お互いの呼び名を知り合う活動として。
・教室リフォームプロジェクト
→このクラスは自分たちの場所だという、オーナーシップの確立。
・リーディングワークショップスタート。(2時間終了)
→あっという間に読みの文化が形成されつつある。
30分ぐらいなら、水を打ったような集中した空気が続いていて、驚き。
去年からボクのクラスだった子達の雰囲気が、いい意味で伝染しているよう。
今年の実践の核のひとつです。
・「作家の時間」スタート。(まだ1時間)
・群れ遊びを教える。Sケン。きゃべつはぎ。
特にSケンは子ども達の精神的、身体的距離を縮め、この時期にはなくてはならないとボクは思っている。
・算数でのチーム学習
→「学び合いなし」「学び合いあり」の2パターンの授業を体験してもらって、その差を振り返る中 で、お互いサポートし合うことの大切さを実感。算数での体験学習アクティビティ。
・「こんなクラスにしたい!」のビジョンづくり(ブレーンストーミング、KJ法で。授業参観で行う)
・ビジョンの掲示物づくり(1時間で全員が貢献してつくる、という課題で)
全員での合意形成ってすごく難しいですが、次々にアイデアが出て、ボクが想像していたのよりもずっとステキなものができつつあります。
子どもってすごい。
どれだけ教師が「待てるか」ですね。
・掃除プロ制、クラスの仕事のスタート。
・振り返りジャーナルの導入
などなど。
ここには書いていない、個別のアプローチや言葉かけ、メッセージもたくさんあります。
* * *
本当に良いスタートが切れました。ポジティブなコミュニケーションがあふれていて嬉しくなります。
保護者の方とも、新たな連携が生まれそうな気配があり、こちらも楽しみです。
さあ、来週から本格的に授業をスタートします。
「教科書に入らなくて大丈夫なの?」
と周りの先生に聞かれたりしますが、この7日間でつくったベースは、これからの授業で存分に生かされていくと確信しています。
* * *
今年度の校内研修は、大きなチャレンジをします。
おそらく日本初のチャレンジです。
ボクはワクワクしています。いよいよ月曜日にスタート。
詳しくはまだ書けませんが、2月6日の研究発表を楽しみにしていて下さい。