いわせんの仕事部屋

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小学校高学年に読んでほしい50冊。いや、「子どもと一緒に読みたい本」。

教職大学院のある院生に、

「先生の鉄板の50冊はなんですか?」と聞かれたので、

今思いつく範囲で、

「岩瀬版 小学校高学年に読んでほしい50冊」を独断と偏見で選んじゃいます。なお、順不同です。

子どもたちに 手にとってほしいなあ。

選書のポイントは、

「実際に子どもの評価が高かった本」にこだわっています。

他にも評価が高かった本も多数あるのですが(ダレンシャンとか)、

「その中でもボクもいいなと思う本」

で選びました。

読んでほしい本、ではなく、「子どもと一緒に読みたい本」です。

読ませる、のではなく、一緒に楽しむんです。

 

「あこがれにあこがれる」とは教育の原理(by 斎藤孝)。

大人が本を読むことを楽しんでいる姿こそが、本の道へ誘う一番の近道かも知れません。「読みなさい!」は違うよね。

 

 

 

モモ 時間どろぼうとぬすまれた時間を人間にかえしてくれた女の子のふしぎな物語

モモ 時間どろぼうとぬすまれた時間を人間にかえしてくれた女の子のふしぎな物語

 

小学校卒業までに、この本を読み切れたら、そして楽しめたらいいなあーというボクの基準となる本。この本の前半で息切れしなければ、相当読書の力があるなあって感じ。

もちろん本の好き嫌いはありますが。

 

はてしない物語 (エンデの傑作ファンタジー)

はてしない物語 (エンデの傑作ファンタジー)

  • 作者: ミヒャエル・エンデ,上田真而子,佐藤真理子,Michael Ende
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1982/06/07
  • メディア: 単行本
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「読み終わるのがもったいない!」とクラスの子がよく言っていたなあ。

装丁も本当にステキ。

 

 

3,

ライオンと魔女―ナルニア国ものがたり〈1〉 (岩波少年文庫)

ライオンと魔女―ナルニア国ものがたり〈1〉 (岩波少年文庫)

 

「ナルニア国」シリーズは、子ども時代にこそ読んでほしい。

映画もよくできている。

 

 

4,

 

二分間の冒険 (偕成社文庫)

二分間の冒険 (偕成社文庫)

 

 本が苦手な子にはまずこれを薦めます。

「いちばんたしかなもの」とは何か。読ませます。

 

びりっかすの神さま (偕成社文庫)

びりっかすの神さま (偕成社文庫)

 

 岡田淳はこれも好きだなあ-。中学年でも十分楽しめます。

岡田淳って、子どもの心の奥に届く。

 

6, 

カラフル (文春文庫)

カラフル (文春文庫)

 

 本当は中学に入ってから読むと一番いいかな。

思春期に寄り添ってくれると思う。

 

7,

ぼくがぼくであること (岩波少年文庫 86)

ぼくがぼくであること (岩波少年文庫 86)

 

 山中恒ではボクはこれが一番好き。

これは小学生にピッタリ。

支えてくれる1冊じゃないかな。 

8, 

夏の庭―The Friends (新潮文庫)

夏の庭―The Friends (新潮文庫)

 

定番中の定番。

湯本の春夏秋冬シリーズもいいです。『春のオルガン』や『ポプラの秋』。

 

 9,

西の魔女が死んだ (新潮文庫)

西の魔女が死んだ (新潮文庫)

 

 高学年女子の支持が高い。美しい物語です。ボクは職員でこの本でブッククラブしました。

中学生になってからでもいいかもね。

 

10,

テラビシアにかける橋 (偕成社文庫)

テラビシアにかける橋 (偕成社文庫)

  • 作者: キャサリンパターソン,小松咲子,Katherine Paterson,岡本浜江
  • 出版社/メーカー: 偕成社
  • 発売日: 2007/03
  • メディア: ペーパーバック
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 10回以上読んだな。何度読んでもいい。これは1人で読むより、ブッククラブや、リテラチャーサークル等で、語り合いながら読み進めたい本。映画はしょぼいので見ない方がいいです。世界観が壊れます。

 

11,

イクバルの闘い―世界一勇気ある少年 (鈴木出版の海外児童文学―この地球を生きる子どもたち)

イクバルの闘い―世界一勇気ある少年 (鈴木出版の海外児童文学―この地球を生きる子どもたち)

 

実話を元にした本。読書嫌いの男子がけっこうこの本をきっかけにはまります。社会科の関連で読んでもいいかも。

 

12,

シャーロットのおくりもの

シャーロットのおくりもの

  • 作者: E.B.ホワイト,ガースウイリアムズ,E.B. White,Garth Williams,さくまゆみこ
  • 出版社/メーカー: あすなろ書房
  • 発売日: 2001/02/10
  • メディア: 単行本
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小学生時代に必ず読んでほしい。中学年でも読める子いるんじゃないかな。 

 さくまゆみこが訳した本ははずれないです。

 

 13、

だれも知らない小さな国―コロボックル物語 1  (講談社青い鳥文庫 18-1)

だれも知らない小さな国―コロボックル物語 1 (講談社青い鳥文庫 18-1)

 

名作中の名作。コロボックルシリーズも子ども時代に読んでおいてほしいなあ。ファンタジーの世界で遊ぶ体験って大事。

 

14,

穴  HOLES (講談社文庫)

穴 HOLES (講談社文庫)

 

この冒険譚は 、読書の楽しさへと誘ってくれます。

 

15, 

時をさまようタック (児童図書館・文学の部屋)

時をさまようタック (児童図書館・文学の部屋)

 

 ボクのブッククラブ実践の定番。語り合うことで重層的に読めます。

ひとりで読むのはもったいない!テーマが深いです。

 

16,

みどりのゆび (岩波少年文庫)

みどりのゆび (岩波少年文庫)

  • 作者: モーリスドリュオン,ジャクリーヌ・デュエーム,Maurice Druon,安東次男
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2002/10/18
  • メディア: 単行本
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これも定番中の定番。というか岩波少年文庫は基本的に全部読んでほしいなあって思います。『クローディアの秘密』や『トムは真夜中の庭で』、『長くつしたのピッピ』等、読み継がれているには秘密がある本がたくさん。

 

17,

 

マチルダは小さな大天才 (ロアルド・ダールコレクション 16)

マチルダは小さな大天才 (ロアルド・ダールコレクション 16)

  • 作者: ロアルドダール,クェンティンブレイク,Roald Dahl,Quentin Blake,宮下嶺夫
  • 出版社/メーカー: 評論社
  • 発売日: 2005/10
  • メディア: 単行本
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 ロアルドダールはどれも楽しいけど、読書し始めの子にはこれが楽しいかな。ワクワクしますよ。

 

18,

ドリトル先生航海記 (岩波少年文庫 (022))

ドリトル先生航海記 (岩波少年文庫 (022))

 

 ボクは子どもの頃これが好きだったなあ。というわけで自分の好みで。

もちろん子どもたちの評価も高し。

 

19,

 

ミカ!

ミカ!

 

 伊藤たかみもいいです!これにはまったら続編の『ミカ×ミカ』を。

中学にいったら『ぎぶそん』もいい。

 

20,

獣の奏者 I 闘蛇編

獣の奏者 I 闘蛇編

 

 何を今更の大ベストセラー。冒険ファンタジーのシリーズを読みつないでいく楽しさ。上橋さんの本はどれもオススメ。大人も楽しい。

 

21

エンデュアランス号大漂流

エンデュアランス号大漂流

  • 作者: エリザベス・コーディーキメル,Elizabeth Cody Kimmel,千葉茂樹
  • 出版社/メーカー: あすなろ書房
  • 発売日: 2000/10
  • メディア: 単行本
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 ノンフィクションならこれ。KAIに教えてもらいました。リーダーシップとは何かを考えちゃう。

 

 

22

十五少年漂流記 (新潮モダン・クラシックス)

十五少年漂流記 (新潮モダン・クラシックス)

 

 言わずと知れた名作。いろんな訳がでているのでお好みで。

中学になったら『蠅の王』を。『無人島に生きる16人』もいい。

 

 23, 

「うそじゃないよ」と谷川くんはいった (PHP創作シリーズ)

「うそじゃないよ」と谷川くんはいった (PHP創作シリーズ)

 

 岩瀬さんの本も読んでおきたいな。名字も同じだし。

 

もうちょっとだけ子どもでいよう

もうちょっとだけ子どもでいよう

 

 これはボクが好きな本。

 

 24、

チョコレート・アンダーグラウンド

チョコレート・アンダーグラウンド

 

 厚いけど一気に読めます。これで読書にはまる子も多い。

金原さんの訳本は子どもたちに人気なものが多いですね。

「訳者で本を選ぶ」 は選書のポイントですよ。

 

 25

ジーク―月のしずく日のしずく (偕成社ワンダーランド)

ジーク―月のしずく日のしずく (偕成社ワンダーランド)

 

 『ジークⅡ』がボクは好きです。そのためにもまずは1を。

 

 26

冒険者たち ガンバと15ひきの仲間 (岩波少年文庫044)

冒険者たち ガンバと15ひきの仲間 (岩波少年文庫044)

 

 今、映画やってますね。原作がほんといい。

泣きます。

斎藤惇夫って3冊しか出してません。3冊ともいいですよ。

(※名前が間違えていたので修正しました。また、3冊だけではなく、他にも出ているそうです。恥ずかしながら知りませんでした……)

 

グリックの冒険 (岩波少年文庫)

グリックの冒険 (岩波少年文庫)

 

 

 

ガンバとカワウソの冒険 (岩波少年文庫)

ガンバとカワウソの冒険 (岩波少年文庫)

 

 

 

 

27,

 

ルドルフとイッパイアッテナ

ルドルフとイッパイアッテナ

 

 中学年向きだけど、高学年でも読書と遠かった人はいいと思います。

このシリーズはどれも楽しい。うちの息子も好きでした。

 

 

28、

クラスメイツ 〈前期〉

クラスメイツ 〈前期〉

 

 

クラスメイツ 〈後期〉

クラスメイツ 〈後期〉

 

森絵都の新刊。

本当なら中学生向きかな。クラスの一人ひとりの視点からのオムニバスの物語。ああ、教室ってこうだなあって思う。

 

29

きみの友だち (新潮文庫)

きみの友だち (新潮文庫)

 

 重松清も根強い人気ですが、ボクはこれを読んでほしいかな。『きよしこ』も。

 

 

30

一億百万光年先に住むウサギ

一億百万光年先に住むウサギ

 

ボクは実はそんなに好きじゃないんだけど、子どもたちには人気があった本。

 

31

 

非・バランス (講談社文庫)

非・バランス (講談社文庫)

 

 小6〜中学生に。

バランスなんて簡単に取れないよね。

 

 

32, 

 

夏を拾いに (双葉文庫)

夏を拾いに (双葉文庫)

 

 日本版スタンドバイミー。読み応えはあるかな。

 

33

 

こちら『ランドリー新聞』編集部 (世界の子どもライブラリー)

こちら『ランドリー新聞』編集部 (世界の子どもライブラリー)

 

子どもが新聞書き始めます!

この本に出てくる先生が「いわせんみたい!」とよく言われました(苦笑)。

 

 

34

 

宇宙のみなしご

宇宙のみなしご

 

 森絵都はこれもはずせないなあ。。。

 

 

35,

 

小学生日記 (角川文庫)

小学生日記 (角川文庫)

 

 華恵の作文、エッセイ集。小学生の時に書いた文とは思えない。

みずみずしい文章たちです。

中学生になったら、

 

本を読むわたし: My Book Report (ちくま文庫)

本を読むわたし: My Book Report (ちくま文庫)

 

 これをどうぞ。

ライティング・ワークショップでも子どもたちに推薦している本です。

 

 

36

窓ぎわのトットちゃん (講談社青い鳥文庫)

窓ぎわのトットちゃん (講談社青い鳥文庫)

 

読書嫌い系女子に人気。ホッとするみたい。

名作です。

 

37,

永遠の夏休み (ポプラの森)

永遠の夏休み (ポプラの森)

 

 子どもの口コミで毎年教室を流通する本。そういった意味では珍しい本です。

折原みとの本は総じて人気が高いです。

読みやすさと、テーマの深さがあるからかな。

 

 

38

ギヴァー 記憶を注ぐ者

ギヴァー 記憶を注ぐ者

 

 うちの中Ⅰ息子も、「これはおもろい」と太鼓判。ブッククラブの定番ですね。

3部作です。

実はまだⅡ,Ⅲを読んでません(内緒)。 

 

39

 

影との戦い―ゲド戦記〈1〉 (岩波少年文庫)

影との戦い―ゲド戦記〈1〉 (岩波少年文庫)

  • 作者: アーシュラ・K.ル=グウィン,ルース・ロビンス,Ursula K. Le Guin,清水真砂子
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2009/01/16
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ボクは断然1巻、「影との戦い」が好きだなあ。

子どもたちの討論で鳥肌が立った懐かしい本。

 

40

ヒトラーのはじめたゲーム

ヒトラーのはじめたゲーム

 

 今こそ読んでおきたい本。

 

41

 

いま生きているという冒険 (よりみちパン!セ)

いま生きているという冒険 (よりみちパン!セ)

 

 狭山市の図書館の司書Yさんにご紹介いただいた本。

中学生にもいいなー。

ボクは今を冒険しているだろうか。

 

 

42

 

びんの悪魔 (世界傑作童話シリーズ)

びんの悪魔 (世界傑作童話シリーズ)

 

 スティーブンソンと言えば、

 

宝島 (岩波少年文庫)

宝島 (岩波少年文庫)

  • 作者: R.L.スティーヴンスン,Robert Louis Stevenson,海保眞夫
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2000/10/18
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 だけど、ボクは『びんの悪魔』が好きだな。

薄いし、子どもたちもすぐ読み終わります。

 

 

43、

 

ぼくらのサイテーの夏 (講談社文庫)

ぼくらのサイテーの夏 (講談社文庫)

 

 友だちや家族を考えたくなる。

 

44,

 

百まいのドレス

百まいのドレス

  • 作者: エレナエスティス,ルイススロボドキン,Eleanor Estes,Louis Slobodkin,石井桃子
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2006/11/10
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淡々としたシンプルな物語だけれど、 考えさせられます。

低学年でも読めるんじゃないかな。

 

 

45

ぽっぺん先生の日曜日 (岩波少年文庫)

ぽっぺん先生の日曜日 (岩波少年文庫)

 

 つい先日舟崎さんお亡くなりになりました。

名作を残してくださりありがとうございます。

 

 

45

 

流れ星におねがい (フォア文庫)

流れ星におねがい (フォア文庫)

 

 読書苦手な子はここをスタートに。

ボクの研究室には30冊あり。ブッククラブのスタートはいつもこれ。

 

46

 

せいめいのれきし 改訂版

せいめいのれきし 改訂版

 

 絵本と侮るなかれ。素晴らしい作品です。

 

 

47

 

エーミールと探偵たち (岩波少年文庫 (018))

エーミールと探偵たち (岩波少年文庫 (018))

  • 作者: エーリヒ・ケストナー,ヴァルター・トリアー,池田香代子
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2000/06/16
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 子どもの頃大好きだったなあ。ケストナーは『飛ぶ教室』もすごくいい。

 

 

48

 

ありがとう、フォルカーせんせい (海外秀作絵本)

ありがとう、フォルカーせんせい (海外秀作絵本)

 

 高学年を担任すると、かなり早い時期にこれを読みます。

クラスで大事にしたい本。

 

49

 

七夜物語(上)

七夜物語(上)

 

 

 

七夜物語(下)

七夜物語(下)

 

 美しい風景の物語。さすが川上さん。中学生でも大人でも。

 

 

 

50

 

あなたのオススメの本を教えてください!

 

 

 

 

発作的に思いつく順にあげてみました。

1ヶ月後やるとまた違うだろうなあ。忘れている本もありそう。

いい本に囲まれる環境と読む時間が保障されていれば、どんな学校よりもステキな教育になるかもしれないなって思います。

 

ボクは幼少期、家は決して裕福ではなかったけれど、母は毎月図書館にバスで連れて行ってくれた。毎月本を3冊借りる習慣がボクを作ってくれた。

母親に感謝。なににも代え難い『教育」だったと思います。

3人兄弟だったボクたち、毎月順番に本を買ってくれた。

回ってくるのが楽しみで、本屋さんで「どれにしようかなー」と3ヶ月悩んだなあ。

 

本を大切にしてくれた子育てに感謝。

本のある生活を。

 

では!