いわせんの仕事部屋

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新年あけましておめでとうございます。

新年あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

今年はまずは、自分のクラス、学年、学校を大切に、
日々を丁寧に過ごしていきたいと思っています。
学年はいよいよ卒業まであと55日。
未来へのよきスタートになるよう、学年で力を合わせていきます。


個人的には今年はインプットの年にします。
最近、アウトプットに偏ってしまっていたので、理論をしっかりと学ぶ1年にします。
登壇は極力控えます。
ひたすら本を読みます。


学びの場も再開しようかなあと思っています。
読書会+実践の共有。
読んだことから自分の実践をリフレクションしたり、
実践につながる理論を勉強したり。
そんな実践と理論の往還のような場をやってみたい。
どなたか興味ある方いらっしゃいませんか?

さて。


新年1冊目の本はこれでした。

現場と学問のふれあうところ―教育実践の現場から立ち上がる心理学

現場と学問のふれあうところ―教育実践の現場から立ち上がる心理学

現場と学問がいかに協働していくか。
研究者からの非常に真摯な提言です。

第一線で協働の試行錯誤をされてきた無籐さんだからこその具体的な提言。
校内研修から、政策過程への参加までを視野に入れている本です。

◆目 次◆
第1章 教育心理学の「不毛性」を超えて
第2章 現場から立ち上がる学問とは
第3章 現場に入る研究者のスタンス
第4章 園内・校内の研究会のあり方
第5章 政策過程への参加とは
第6章 基礎研究をいかに役立て応用するか
第7章 実践現場のリアリティへ
第8章 ボトムアップの教材分析
第9章 実践者からの批判を受ける
第10章 研究者と実践者とのつきあい
第11章 養成校での研究者・教員のあり方
第12章 初めて現場に関わる研究者のために

研究者、または研究者を目指す人向けに書かれている本ですが、
現場の教員も必読です。

研究者側の問題と共に、実践側の問題もクリティカルに描き出しているからです。


実践者が語ることは、しばしば実践を、ある型どおりの語り方によって閉じ込めていることがあります。それは必ずしも間違ったことではありませんが、ある形の中の限定での工夫というのは、実践を良くしていく部分もあるけれども、場合によっては末梢的な改善に入り込んでいくこともあります。

型が悪いという意味ではありません。実践は、型なしではあり得ないものです。ただその型があまりに狭くなりすぎると、実践を語りながらその狭さをさらに強化しているということになりかねないということなのです。


うーん、耳が痛い・・・・・

要するに、実践研究では、プライオリティやオリジナリティがはっきりしません。実際に教師の書く実践研究論文を見るとわかりますが、ろくに引用文献もついていません。だからこの実践がどこからきたのかを知りたくても、ほとんど調べようがないのです。あるいはおもしろいからもっと勉強したいと思っても、何を調べたらよいのかわからないのです。たまに引用文献がついていてもごく一般的な本であったり、あるいは権威ある研究者の本とか、ごく一般的なアイディアを与えるものはあるかもしれませんが、その実践研究の工夫のもとがどこに由来するのか、ということをなかなか書いてくれません。それは研究者の論文としてみれば研究以前、論文以前ですが、実践論文はだいたいそうなのです。

なるほど。
これはよく北海道の石川晋さんが指摘している問題でもあります。
このあたりはボクはとっても弱いと自覚しています。
今年はここへのチャレンジ、です。


この本ではそれを批判しているのではなく、研究と実践の違いを描き出し、ではどうすれば良いかの提言までが書かれています。


ワンワードで言えばそれは、


現場と学問の二重の再構築


となりますが、詳しくは是非お読みください。
現場のボクたちにとっても、研究とどのように協働していくかの視座を得られる本。
実践者であるボクたちも、変わっていく必要があります。

ボクはこれから何度も何度も読み直すことになりそうです。



新年、とてもいいスタートでした。