思い込みを超えるためには。
ボクらはさまざまな思い込みを持っています。
「思い込みメガネ」をかけてるんですよね。
思い込みの怖いところは、自分では「思い込んでいる」ということに気づかないところ。
だって思い込んでいるんだもの。
ああ、こわい。
かくいうボクも様々な思い込みを持っていて、
何かの出来事で自分の「思い込みメガネ」があらわになったとき、
心底おののきます。
昨日のドアの話もそうなんですよね。
「なんであいつはオレのことわかってくれないんだ!」
と言うときはたいてい、
「オレがあいてのことをわかろうとしていない」。
このことに気づくまでに30年以上もかかるなんて・・・・
思い込みとは怖いものです・・・
ではどうしたらいいの??
どうしようもないといえば、どうしようもない。
でも「思い込みがあるかもしれない」ということを体験的に知っておくことが大事だなあと思うわけです。
何か困ったことに出会ったとき、うまくいかないことに出会ったときに、
「ああ、確かあのときも、思い込みでうまくいかなかったことがあったなあ。
今もそうかも・・同じ失敗しないために、ちょっと違う視点で見てみよう−!」
「思い込みかも知れないセンサー」をピピーンと働かせる。
それだけでもずいぶん違う気がします。
他にはどうすればいいんだろう。
ああ、きっと「他者との対話」だ。
小学校5年生。
学級活動の時間にプロジェクトアドベンチャーをやったときのこと。
行ったアクティビティは、「エブリイボディズアップ」。
ルールは、
両隣の人とつま先をつけて、全員がつながりながら同時立つ、
と
いう課題解決のアクティビティでした。
まず2人で。成功!
では4人!次は8人とちょっとずつ人数を増やしていきました。
そこまでは順調に成功して全員のチャレンジ。
今まで成功したやり方であれこれチャレンジするのですが、どうにもうまくいきません。
今までの方法論が通用しなくなるんですね。
ここでイノベーションが大切。
新たなアイデアを試してみたり、視点を変えたり。
「こうやらなきゃ」という思い込みではどうにもならなくなる場面。
さあ「思い込み」で進まなくなったときにどうすればいいんでしょうか?
もちろん担任であったボクは一切口を出しません。
学習者の時間。
邪魔にならない所で、そっと見守ります。
ネタバレになるので詳しいプロセスは割愛しますが、
様々な試行錯誤を経て、時間内に課題達成!!
活動の後は振り返りの時間です。
「思い込み」をどう超えたか、子どもたちの話から明らかになります。
今日の活動で学んだこと、これからに生かせそうなことってなに?
3〜4人の小グループでの振り返り。
何度かグループを変えて対話しました。
その後全体でシェアリング。
その中でこんな振り返りの言葉がでてきました。
「アイデアを出し合うのが大事だと思う。いろんなの出さないと、今回みたいな方法でなかったと思うから」
それに続いてAくんがこう言いました。
「1人のアイデアから伸びていくことがあると思う。例えば会社とかの研究開発とかでも、1人がなんか思いついて、それがみんなに広がっていって、みんながよくなるというか。だから1人のアイデアを大事にするのが大事だと思う」
なるほどなあ。そのためにはどうすればいいんだろう?
「みんなが公平に参加できるようにする。そうじゃないと1人のアイデアがわからない」
「まだ言っていない人のアイデアを聴いた方がいい。でなかったり、言いにくい人もいると思うから、2〜3人で話し合ってそれを出したりすればいい」
「よく聴くのって大事だと思う。サークルみたいに」
こんな意見も出ました。
「まずやってみる!って大事だと思う。『むりー!』とか否定しちゃうと、もしかしたらやれたかもしれないのにやれなくなっちゃうから。前の車いすバスケ元日本代表キャプテンの根木さんの話で、『思い込みを外す』ってあったけど、やってみなくちゃわからないから、やってみる」
「やらないよりやってみたほうがいい」
こんな振り返りが続きました。
他者と対話する。
他者のアイデアを試してみる。例え自分の考えと違っても、まずは受け入れて試してみる。そうすると思わぬブレイクスルーが生まれて、
「ああ自分のは思い込みだったんだなあ」と気づくことができる。
他者との対話と他者のアイデアを受けいれてみること。
こんな身近なことから、「思い込みかも知れないセンサー」は磨かれていくのかも知れません。
それにしても子どもたちの振り返りの言葉、今読み返してもスゲーな。
学習者をバカにしてはいけないとつくづく思います。
大人が考えてることなんて、かるーく超えていく場面なんて日常です。