慈悲の怒り
やっとDVDも完成し、年度末の事務仕事を粛々と進めつつ、
昨日からこの本を読んでいます。
- 作者: 上田紀行
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2011/06/17
- メディア: 単行本
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社会の中に、その場の空気というものがまずあって、状況が最初に決められていると、我々はその状況や空気に寄り添うようなことしか言わず、状況そのものを変えるような発言や行動をしません。ですから、その方向が大変危険なものであったとしても、それに歯止めがかからず、ずるずると進んでいってしまう。そして重大事が起こって初めて、その「空気」が誤っていたことに気づくのです。
(p65)
上田は日本の社会システムについてこう述べていました。
うむむ。自分の中にも根深くあるなあ・・・・
状況に対する懸念を人に伝えること以上に、自分に対する周囲の人たちからの評価や関係性に、自動的にしかも無意識に縛られてしまう。結局のところ、このように周囲との関係性を、言論の内容よりも優先してしまう。そのように本来の意味での主体的な言論が成立してこなかったことが、日本社会の大きな問題だったといえます。(p66)
あるところでちょっと対話となったセパレーションの記事以来、ずっと考え、ひっかっかっていたことをズバッと言い当てられた気がしました。
日本人は最初に状況が与えられた中でうまく生きることは得意なのですが、その状況自体が正しいかどうかを判断したり、もしその状況がふさわしくなければ新しい状況へとみんなの手で変えていく、状況を作り上げていくことに関してはとても不得意だということです。
「既成事実への屈服」と「役割への逃避」から踏み出すために。
「新しい状況」を創っていくために。
ボクにできることはなんだろう。
そんなことを考えさせられる1日でした。
正念場だなあ。