いわせんの仕事部屋

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忙しい金曜日

忙しい金曜日でした。
まずは、朝日新聞の取材。
「作家の時間」の授業を取材してくださいました。
やっぱりちょっぴり緊張・・・
全国版の夕刊に、7月に掲載予定とのこと。
写真もカラー!!
楽しみです。




午後は家庭の事情でお休みをいただき、あわてて東京へ。
それをすませたあと、東大へ。
人生3●年目にしてはじめて「赤門」をくぐりました。



東大の中原淳さんの「learning bar」へ。
http://www.nakahara-lab.net/blog/2008/06/learning_bar_14.html

株式会社リクルート ワークス研究所 Works編集長の高津尚志さんのお話でした。
高津さんの本、

感じるマネジメント

感じるマネジメント

は、目から鱗の本でした。だからこそどうしても行きたかった。

「組織が大切にしている価値観や理念といったものをどのように広めることができるのか?」

デンソーでの事例をもとに、とてもエキサイティングな話でした。
そもそも、30カ国10万人に理念を浸透させるなんて、何ともスケールの大きな話。
それを追求するなんて・・・学校単位ぐらいで弱音を吐いている場合ではありません。

最初、中原さんから、この会の趣旨が話されました。

「聞く 聞く 聞く 帰る」
場ではなく、
「聞く 考える 対話する 気づく」
場であると。



教員研修も前者が圧倒的に多い。
今回、高津さんの話を受けて近くの人とディスカッションする時間がありました。
このような少人数のディスカッションの有用性は、ボク自身もクラスで感じています。
リテラチャーサークルやチーム学習はまさしくそれを学びの核に据えたものです。
小グループは、コンサルタントの方や、能率協会の方など、ホントに多様!
ディスカッションの中で平気で「アプリシエイティブ インクワイアリー」なんて出てくるのだから緊張します・・でもそんな議論に参加できてとても刺激的でした。

ボクが高津さんにした質問、
「もしお子さんを公立に通わせるとしたら、どんな先生に担任してもらいたいですか?」
という、なんとものんきな質問に、高津さんはこんな回答を下さいました。



「先生たちが幸せそうにしている学校に行かせたい。先生という仕事を愛していたり、子供を大切に思っていたり。幸せには感染力がある。子供たちにも伝わっていく。先生が幸せそうにしていれば、きちっとした理念があると推定できる。」
中原さんからは、
「幸せそうにしてますか?」

ボクは幸せだけど、それがちゃんと表に出ているかなあ。





やはり学校教育外に出て学ぶのはとても刺激的です。
ぜひ、皆さんもLeraning Barに行ってみてください!
次は7月です。




以下はボクのためのメモです。


●企業の課題
「なんか最近バラバラなんです」「うちの会社の理念を浸透させたい」

 →これは学校も同じ。職場もクラスも。


●教育学の常識として、学習目標として明示できぬものは、教えられない。教えられないものは教えられないと突っぱねろ。理念浸透なんてそもそも可能?
  
 →深い問い。理念は浸透させるものなのか?


●創業者の理念、みんなの気持ちといえるもの 2つが浸透しやすい。
  →ビジョンをみんなで作るというのはやはり大事。
   でもそのビジョンを絵に描いた餅にしないための方策が必要。
   何より大切なのは、ビジョンと自分との「つながり」を発見すること。


●浸透の最終的なゴールはその組織の全員が、ビジョンを体現・体得することである。
 体得体現とは、ビジョンの内容を深く理解しあらゆる状況で実践している状態。

  →そのためには、対話が必要。
   だれかがビジョンを「教える」ビジョンへ「導く」のではなく、同じ憧れに向かって共に学   び成長していく。これは学校も同じ。
   同じ憧れに向かって共に歩んでいく 「side by side」の関係。
  

●やり方は各地域、各国で自由である。
  →目的を共有したら、方法は各自に任せる。
   学びの責任。クラスにも言える。

●理念の浸透に必要なもの、それは「愛」。


●宝物は相手の中にある。

伝道者が上、人々が下→  同じ土俵に立つ
             共に学び、成長し、豊かに

伝道者は人々が持っていないものを「授ける」→相手の心の中の宝物を一緒に見つける
                      信仰の根本はもともとあるもの


   →相手の中に「宝物」はある。
    答えは相手が持っている。それを引き出す。
    そのために大切なのが「語り合い」

●物語のちから
 価値観、信念
 他者の物語
 自分の物語

  →とにかく物語を語り合うこと。 
   ゆっくりじっくり語り合うということをすると、何か降りてくる。感じてくる。


●理念によって、文化を操作することができる!?
 組織文化は操作可能か?
 組織文化をマネージできるのか?

  →この回答はこれから学校を考えていくときにも重要。

●物語の質
理念のオリジナリティ
理念の言葉以上にそこにある物語が大切。
その理念に自分の体験や経験、物語を引きつけていく、つながりが大事。


●理念「浸透」?
  経営者によるモノローグ
  訓話・唱和
  クリエイティブ(ポスター、手帳、DVD)
  背後には、シャノンのコミュンケーションの導管モデル

   こういう上から目線はダメ。たとえできたつもりでも腹に落ちていない。

 これからは、
 
  対話モデル 理念構築モデル
  対話の果てに我々が目指すべき意味がある。
  文化をともにすることは、共通経験に関する物語を語ることである

  組織の理念ー自分・他者の物語のすりあわせ


●信念はなかなか変わらない・・・がパワフルである
 ハラに落ちた理念、は信念という。

 信念はなかなか変わらない
 しかし、信念はパワフルである
 信念は「モノゴトを見るめがね」
 行動する準拠
 若い頃に信念は作られる。
 若い頃に作られるけど若い頃に業績に余り差はない。
 でも信念ができた人は、ミドルになった時に大きな差がでる。
    
      →これから大量に学校現場に来る初任者へのアプローチ、大事だなあ。
      

    
       *  *  *

さあ、明日は某NPOのリーダー研修でアドベンチャー・ラーニングのファシリテーター
がんばろう。