いわせんの仕事部屋

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メモ「ボクの自学ノート」と「幸せな子ども時代」。

こうすることが「自分らしさ」として当たり前になる学校の形、場の形とは?

7年間の歴史がつまった"ボクの自学ノート"|NHK1.5ch(NHK1.5チャンネル)

 

新しい学校のかたちは、ぼくらが思っているよりもずっとずっとシンプルなものなのだろう。

昨日、ご一緒した世田谷区立桜丘中学校の西郷校長は、インクルーシブ教育をわかりやすい言葉で

「すべてのこどもたちが3年間を楽しく過ごす」

と再定義していた。

そのためには、すべての子どもたち一人ひとりに特別な配慮が必要なのだと。

校則がないからこそ、教師と生徒は対等に話し合うことができる――西郷孝彦校長インタビュー | 文春オンライン

 

控え室で、LITALICOの野口さん、こたえのない学校の藤原さとさんを交えてお話ししていた時に「ほんとそうだ!」と共感したお話は、

「何か特別な配慮が必要な子がいたとして、その子に必要な環境や手立ては、すべての子が過ごしやすく学びやすくなる可能性がある」ということ。

以前、その子の学びやすさのために「タブレットを使わせてほしい」と保護者から依頼があった時、西郷さんは、

「では、全員OKにしましょう!」全校でOKにしたそう。

いやあすごい。

 

一人ひとりを大切にする、ということがどういうことかを改めて考えさせられた。

 

野口さんは、「インクルーシブ教育はプロセス」であると強調していた。

そのプロセスを大切にするためには、学校のかたちをもっとシンプルに。

試行錯誤しやすい、改善し続けやすいシンプルなかたちに。

 

子どもも大人も、誰にでもよくわかるかたちに。改めて「幸せな子ども時代のために」に足をぐっと置いて。子どもも大人も、自分の学び、自分の人生の「つくり手」である、ということはどういうことかをもっと考え尽くそう。

 

登壇の機会が、自分の学びになるというのは一番素敵なかたちだ。まだまだまだまだやれることあるな。

 

 

 

 

週末読んだ本(メモ)

今週末読んだ本。

スマホからSNSを消したことで、自分の時間が持てるようになった。

週末久々良く本が読めた。

まともがゆれる ―常識をやめる「スウィング」の実験

まともがゆれる ―常識をやめる「スウィング」の実験

 

 先週、軽井沢にいらした神戸大、赤木さんに紹介していただいた本。

一気に読了。いやーおもしろかった。

スウィング(NPO法人スウィング:岩瀬注)のモットーのひとつに「ギリギリアウトを狙う」がある。だから始業時間はまちまちだし、眠くなったら昼寝をすることが奨励されているし、特に理由もないのに休みを取る人には拍手が送られる。知らぬ間に僕たちの内面に巣くってしまった窮屈な許容範囲の、ちょっと外側に勇気を持って足を踏み入れ自己規制を解除し続けることで、かつてはアウトだったものが少しずつセーフに変わってゆき、「普通」や「まとも」や「当たり前」の領域が、言い換えれば「生きやすさ」の幅が広がってゆく。

 

そもそもこの社会の隅々にまではびこり、恐らく多くの人を苦しめている「できること=良いこと(素晴らしい)」「できないこと=悪いこと(ダメ)」という価値観って一体何なのだろう。ホント何これ、教育? マジで意味分かんない。できることはただできるだけ、できないことはただできないだけ、良い悪いでもないし、それ以上でも以下でもない。これじゃいけないんだろうか?

 必読の★★★★★。

できるーできないって何だろう?

仕事って?障がいって? まともがゆれる本。

 

 

時間術大全 人生が本当に変わる「87の時間ワザ」

時間術大全 人生が本当に変わる「87の時間ワザ」

  • 作者: ジェイク・ナップ,ジョン・ゼラツキー,櫻井祐子
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2019/06/20
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
  • この商品を含むブログを見る
 

 ★★★

久々に仕事術の本。『スプリント』の著者ですね。どこかで読んだことも多いけれど、あらためてざっと読んで考え直せる。

 

★★★★★ KAIに紹介されて読んだマンガ。

引き込まれた−。5巻でここまでいくかー。いやーすごいマンガをありがとう、KAI。

 

insight(インサイト)――いまの自分を正しく知り、仕事と人生を劇的に変える自己認識の力

insight(インサイト)――いまの自分を正しく知り、仕事と人生を劇的に変える自己認識の力

 

 同僚、うまっちに紹介されポチッと。今日届いたので読み始めます。

 

ハーバード・ビジネス・レビュー[EIシリーズ] マインドフルネス (ハーバード・ビジネス・レビュー EIシリーズ)

ハーバード・ビジネス・レビュー[EIシリーズ] マインドフルネス (ハーバード・ビジネス・レビュー EIシリーズ)

  • 作者: ハーバード・ビジネス・レビュー編集部,DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー編集部
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2019/02/07
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
  • この商品を含むブログを見る
 

 ★★★

先週からマインドフルネスをはじめた。

理論的にも知っておきたかったので、読了。ざっと概観できる良書。マインドフルネスのやり方ではなく,その効果についての論文集。

 

 

教育のプロがすすめるイノベーション: 学校の学びが変わる

教育のプロがすすめるイノベーション: 学校の学びが変わる

  • 作者: ジョージクーロス,George Couros,白鳥信義,吉田新一郎
  • 出版社/メーカー: 新評論
  • 発売日: 2019/07/18
  • メディア: 単行本
  • この商品を含むブログを見る
 

 ★★★★★

ご存じ吉田新一郎訳本シリーズ。

下訳を読む役目を仰せつかっていたので、ずいぶん前に読んでました。

教師のためのマインドセットの本ですね。おすすめです。 

 

今週末は久々じっくり本読めて満足。

さて、1週間がんばりましょう。

先ずは選挙速報みよう。

 

 

クラスづくりの極意―ぼくら、先生なしでも大丈夫だよ

クラスづくりの極意―ぼくら、先生なしでも大丈夫だよ

 

 あ、おかげさまで8刷になりました。

2011年から細く長く読まれていてうれしい限り。

ありがとうございます。

まだのかたはぜひ。写真も豊富なうえに、袋とじのおまけつき!!

こんなお得な本はなかなかないです(当社比)。

学期末、テストに追われたりするのもったいない。

今年の梅雨は長い。

しっかりと雨が続きますね。

軽井沢なんて、ダウンを着る日があるんだよ,寒くて・・・

 

小学生の娘の様子を見ていると、プールになかなか入れなくて残念そうです。

プールの時間って、なんだかんだで開放的で好きな人が多いんですよね。それだけ普段の授業が開放的ではないという・・・以下自粛。

 

さて、1学期も終わります。

終わっていない漢字ドリルや計算ドリルやテストに時間を使って,子どもも大人もヒイヒイ言うのは本当にもったいない。

夏が近いのだからこそ遊びましょう。

 

学年を組んでいた同僚に教わって以来、毎年やっていた「水鉄砲大会」。

 

持ち物
・着替え一式。
・水を飛ばせるものならなんでも。
・タオル。
・着替えを入れるビニール袋。

 

パンツまでぐっしょりになるので、全て着替えられるように、靴も含めて一式持ってくることをオススメします。

水鉄砲はもちろん、プラコップやペットボトル、バケツを持ってくる人まで。

濡れたくない人、参加したくない人は、遠巻きに眺めているのももちろんOK。

カメラマンをやってくれる人がいたり,教室の窓から半ば呆れながら眺めつつ本を読んでいる人がいたりもします。

 

あそぶ
特に目的もなく、ただただ思いっきり水をかけ合うだけ、です。
ルールなんてありませぬ。
ひたすらかけあう。
最初の頃は水鉄砲でかけ合っていた人たちも,
途中からバケツでかけ合いはじめます。 笑
自分で水をかぶる人も。バケツ最強説。

大人であるぼくは,財力を生かして大きな水鉄砲を購入して,いざ鎌倉。

「ずるすぎる!」と非難囂々です。

始まった後は、起きることに委ねて一緒に遊んじゃいましょう。

 

何回か水鉄砲大会を実施すると、その内自分たちで企画しはじめ、盾をつくってくる人がいたり、ペットボトルを使って背中に背負える水のタンクをつくる猛者まであらわれて、いや何とも遊びの想像力ってすごい。
最初のきっかけだけつくれば、あとはどんどん広がっていきます。

 

「レクは子どもが考えることに価値があるのでは?」という声も聞こえてきます。

しかし、仮にそれを学級会で扱うとしても、子どもの中には,これまでの学校での経験(隠れたカリキュラム)から、「学校のレクでやっていいことってこれくらいのことだな、たぶん」と自制を働かせてしまいがち。結果、いつかどこかでやったような「ドッチボール」とかになりがちです。

「自由な企画が許される!」なんて経験、していない人が多いんじゃないかな。

先ずはその「学校についてのストーリー」を問い直す場面が必要そうです。そこは担任の出番だったりします。提案することをためらわなくてよい、とぼくは思っています。なによりぼくがやってみたかったし!

 

「とはいえ、来週1週間は雨模様だしな」

という声が聞こえてきますが、雨降っているからこそ楽しいですよ。

どうせ濡れるとわかっているなら,より大胆になれます。

せっかくの夏前ですよ。遊びましょう遊びましょう。

 

写真は、なんだかんだで一番楽しんでいた人。

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「本を読む」ことと、「自分で考える」ことはつながっていると思います。

体調がすぐれず、ベッドでグズグズ。

目がさめるとちょこっと読書。今日は安野光雅『かんがえる子ども』を再読しました。

 

本を読まないでも、生きていけます。でも、本を読んで生きた人は、同じ十年生きていても、二十年も三十年も生きたことになります。

「本を読む」ことと、「自分で考える」ことはつながっていると思います。「本を読むことは、自分の考えかたを育てること」です。とにかく、子どもたちには、自分で考えるくせをつけてほしいと思います。だれか偉い人がいっていたからとか、テレビでいっていたからとか、判断を他人に任せるようではつまらないではありませんか。でも、自分で考えるためには、日頃の訓練が必要です。頭がやわらかいうちに、たくさん本を読んで、世の中にはいろんな考えかたがあることを知りたいものです。

 

かんがえる子ども (福音館の単行本)

かんがえる子ども (福音館の単行本)

 


軽井沢風越学園の真ん中にライブラリーを置いた理由の一つのは、ぼく自身、学ぶこと、世界を知ることの大きな核の一つは「読むこと」であると思っているから。

公立小にいたときも教室に大量の本を置いていた。本が身近にあること、これは家庭環境に左右される。だからこそ学校こそが本を身近な存在に感じる環境であるべきだと思う。

 

せっかく本があっても、本の世界とつなぐ大人の存在はとても大切。

そのためにはぼくら自身が、子どもの本をどれくらい読んでいるかが決定的に大事で、それなくして子どもと本をつなぐことはできない。

たくさん読んで、知っている本が増えると、ある子に出会った時に、

「ああ、○○には、あの本が今ぴったりだな」とわかるようになってくる。

他ならぬあなたのために選んだ本を手渡すと、けっこうな割合で大切に読んでくれる。

「他ならぬ私のために選んでくれた」が実は大切。そのためには、その子のことと、本のこと、両方にアンテナを張り続けて、マッチングの試行錯誤を積み重ねるしかない。

 

学校や幼稚園、保育園の先生にとって、たくさんの子どもの本を読んでいること、知っていることは、「先生としての大切な土台」だとぼくは考えている。子どもの本を読んでいないのに、国語の授業ができるわけがない。

 

児童書やヤングアダルトをたくさん読んで、100冊を超えたあたりから見える世界が変わってくる(当社比)。

騙されたと思って読んでみてください。
ちなみにぼくや、盟友のKAIは、かなりおじさんになってから児童書やヤングアダルトに目覚め、それから何百冊と競うようによんできました(ちょっと盛ってるかなww)。大事な経験だった。


「何を読むか」も決定的に大事なので、例えばこちらも参考程度に。http://iwasen.hatenablog.com/entry/2015/11/05/193414

日本休み時間三大芸能

日本休み時間三大芸能と言えば、

フルーツバスケット
ハンカチ落とし
ドッチボール

です。昭和から面々と続くこれらの伝統芸能。

 

外に行ってはドッチボール。
雨が降ったと言えばクラスレクでハンカチ落とし。
お楽しみ会と言えばフルーツバスケット。
ぼくの子どもの頃もそうだったなあ(遠い目)。


で。
これらの伝統芸能は、教師にとっては「レクをやって子どもたちの関係性がよくなるといいなー!」なんて思ってやるわけですが、子どもたちのモチベーションや関係性をめちゃめちゃ冷やす三大レクとも言えます(当社比)。
なぜか。

 

○活躍できる人が決まっている。

ドッチボールは顕著です。うまい子がボールを取る、投げる、あてる。他の人はひゃーとか言いながら逃げ回るほかない。運悪く当てられて外野に行くともうおしまい。
ボールが回ってくることはほとんどなく、ぼーっと経っているか、グラウンドにお絵かきをするしかない。
うまい子が外野に来ると全てのボールを奪って投げる。
力関係がもろに出るスポーツです。ほとんどの人は全然おもしろくないんだよね。
ハンカチ落としもそうなりやすい。「力」のある人、仲良し同士でハンカチを回しあう。一部の人だけで盛り上がり、後の人はただ座っているだけ。

 

○罰ゲームや負け、ボールがこわい。
フルーツバスケットは典型。鬼になるのが嫌で必死で席を探すことも。負けにならないように必死で動くゲーム。下手したら罰ゲームがあったりすることも。ドッチボールは当てられること自体がこわい人もいます。そりゃそうだ、痛いもの。

 

かかわりが限定的。
三大レクを通じて子どもたちの関係性が広がったり豊かになったりすることはまずありません。ほとんどコミュニケーションもなく、相談することも、協力することもほとんどない。みんなで遊んでいるようで、実はバラバラしてます。


○待ち時間が長い。
ドッチボールは外野にいったらぼーっと時間が過ぎるのを待つ。あー早くチャイムならないかなあ。
ハンカチ落としは時間の中で一度もハンカチが回ってこないことも多々。ぼーっと時間が過ぎるのを待つ。あー早くチャイムならないかなあ。
フルーツバスケットもなかなか自分の該当が回ってこないとぼーっと・・・(以下略)。

待ち時間が長くなると端的につまらない。
なので「何とか楽しもう」とする人たちは新たな技を発動します。ふざけはじめるのです。
わざと鬼になったり、転んでみたり、イスを取り合ってみたり。
遊びを楽しくしたい!と思うのはとても自然な行為。三大レクの構造がこのような行動を促していると言えます。

しかし・・・教師の「保安官バッチ」が作動します。

ふざけるならもうレクしません!
シーン。
あれ、なんのために遊んでるんだっけ?

 

○にもかかわらず参加が強制される

つまらないのに参加が強制される、これが一番問題です。「ぬーけた!」と辞める自由があればいいのに。

 

せっかくなら楽しいことがいい。

せっかくなら関係性が広がったりワクワクしたりするのがいい。

 

iwasen.hatenablog.com

 

そもそも遊びとは子どもの「~したい」から出発する自己主導なもの。

そもそもは「あそばせる」ものではないですよね。

ぼくが担任の頃はSけんが一番人気でしたが、その中でも教室の畳みコーナーでのんびり本を読んでいる人もいる時は、いい感じ。

自己選択・自己決定のないことは遊びとはいえないのでしょうね。

 

三大芸能はそろそろ博物館に飾ってはどうだろう。

 

 

サークルになって話す。

最近教室で、サークルになって話し合ったり、対話したりしている場面をよく見るようになりました。アドラー心理学に基づくクラス会議、イエナプランのサークル対話、てつがく対話など、サークルになるという場のつくり方が一定の認知を得てきたように見えます。朝の会や帰りの会をサークルで行っている、という話もちらほら聞こえてきますし、ぼく自身も現場にいるころ、サークルという場をとても大切にしていました。

 

一方、サークルになることが目的化しているようにも感じています。
「何か民主的でいい感じじゃない?」的な。

 

サークルの場って簡単そうで難しいというのがサンプル数1ながらの経験知です。

 

プレッシャーがかかる
まず30人近くが丸くなって座ると、当然ですがサークルがでかい。正面の人ははるか先です。自分以外の29人の顔が見える。それは良さでもあるのですが、この中で発言するなんて実はプレッシャーがかかります。全員の反応が見えるわけだから。

 

参加度が下がりやすい
どうしても沈黙しやすくなるし、基本的に「1人が話し手で29人は聴き手」という状況になるので、「だまってきく」ことがメインになります。よっぽどそこで取り扱われているテーマに関心がないかぎり、ずっと聞きっぱなしになって参加度はグッと下がります。その内に隣とつつきあったり、意識がサークルの外にふわーっと飛び立っていったり。そうなるのは必然です。

 

一斉講義と変わらない状況
というわけで、初期の頃は学習者同士のやりとりになりにくく、先生を介したコミュニケーションになりがちです。
先生→子どもA→先生→子どもB・・・というように。
なかなか対話が生まれず、焦って先生の発話が増える。先生がつながないとコミュニケーションにならない。これでは一斉講義と何ら変わらない状況です。そもそもなんでサークルなんだっけ?という問いが生まれてきます。

 

何のためにサークルになるの? サークルになることのよさと難しさは?

これらの問いを考えなら、ではどうしていくのがいいかを検討し、試行錯誤したいです。

さらにいうと、場で起きていること、一人ひとりの子どもが、その場で何を経験し、結果として何を学んでいるか?という問いも持っていたい。 サークルで大切にしたい価値とは逆のことが結果として伝わってしまっていることもあり得ます。

 

繰り返しになりますが、人数の多いサークルの場ってなかなか難しい。

誰でもどこでもうまくいく方法はないし、コンセプトがいいからといってうまくいくというものでもない。そこには目的とつながる実践知が必要です。 実践知を磨くには、試行と振り返りのサイクルをグルグル回すこと。フィードバックをいかすこと。

 

ちなみにぼくは、かなり構成的にサークルの場をつくっていく派でした。
小さな足場かけをつくり、成功体験を積み重ねていく派でした。

例えば、毎日たっぷり読み聞かせをすること。「きくって楽しい」という体験を山ほど積み重ねること。ペアで聴きあう体験をたっぷりすること。小さなサークルからはじめること。等々。それでも30人のサークルが自然になっていくには、たくさんの壁が存在します。この続きはまたいずれ。

以下はある日のサークルの様子です。

 

   *  *  *

 

「朝のサークルタイム」
月曜日の朝は、なんとなく子どもたちが疲れて見える。
スポーツ少年団での練習や試合のあった人、
遠出をして帰ったばかりの人、
ついつい夜更かしをした人。

全体的になんとも調子が出ない感じ。
ぼくもまた、ちょっとボーッとしていたりする。

 

そこで月曜朝は決まって「おはよー!」とあいさつをした後、

「土日どんな風に過ごしていた?」
というテーマで、2,3人で対話する。

まずは少人数でたっぷりチェックイン。全員の前で話すのはプレッシャーもかかる。数人ならたくさんの人が話せる。
いろいろあった人もなかった人も、ワイワイと楽しそう。

「野球大会だったんだけどさあ・・負けちゃった−」
「雨降ってたからずっと家にいたよー」
「父の日の準備始めた?」

漏れ聞こえてくる声をききながら、元気かな−、つかれてないかなーと子どもたちひとり一人の様子を見る。

 

3分くらい話した後、数人の人が全体にシェアする。
「だれかみんなに話してくれる?」
「じゃあ、おれが」と、Kくん。

「土曜は朝は10時頃起きて、お母さんに怒られながらパンを食べたんだよね」
 起きるのおっそー!

子どもたちからつぶやきがもれる。
(日頃から「幸せなら態度で示そうよ」と話していた。ウナウナと頷いたり、小さな声で反応したりすると話し手は「ああ聞いてくれているんだなあうれしいなあ」って伝わるよ、と。)

「昼ご飯は食べなくて−、で。部屋の片付けしろって母さんに怒られたから、いやいややって〜」 あはは

「夜ご飯食べて、1日終わった−。」 
わはははは!なんにもしてないじゃん!

さまざなつぶやきがもれる。

「日曜はなにしたっけなー、午前中部屋の片付けして」どんだけ汚いんだ!
「午後は部屋の片付けしてるっていいながらゲームして、夜ご飯食べて終わった−。
雨降っちゃうと野球がないから急にやることなくなるんだよねえ〜 」
ああ、わかるー。

外のスポーツをやっている子達から共感の声。


たわいもないこんなことを、みんなで笑ったり、うなずいたりしながら、クラスの波長をゆっくり合わせていく時間。,こんな感じでゆるやかな1週間のスタートを切る。

 

   *  *  *

聴き手である人たちの反応は、読み聞かせをしているときの反応にちかい。

読み聞かせの経験と、サークルで人の話を聴くことは実はつながっていたりします。

 

サークルにまつわる記事は以下にもあります。

iwasen.hatenablog.comhttp://iwasen.hatenablog.com/entry/2015/10/20/191606

 

iwasen.hatenablog.com

 

iwasen.hatenablog.com

 

iwasen.hatenablog.com

 

 

 

プロジェクトをつくる:メモ。

今、軽井沢風越学園設立準備財団ではカリキュラムづくりのまっただ中。

今日も東北学院大学の稲垣忠さんをお招きしてPBL(Project Based Learning)デザインの研修でした。あーおもしろかった。

 

さて、PBLのカリキュラムどうやってつくるの?

どんなプロジェクトに価値があるの?どんなフレームワークを使ったらいいの?

そもそもどうやって教科を横断したカリキュラムをデザインするの?

学習指導要領は押さえられるの?

 

次々に様々な疑問や不安が押し寄せてきます。

ぼくたちは自分がこれまでにやってみたことのないことをやろうとすると,不安が襲ってきます。自分への期待値を過剰にあげてしまって、一歩踏み出しにくくなる。失敗したくない。それは多くの人にある感情です。

 

ではどうすればよいか?

まずは自分への期待値を下げて、とりあえずつくってみちゃうこと。

つくってみると、形ができるので、他の人と一緒に眺めることができるようになります。一緒に触ってみることができます。フィードバックを受けることができます。形にしないまま問いや疑問の空中戦をしていても、なかなか前に進みません。

 

とりあえずつくってみるには、何をとっかかりにすればよいか?

まずは先行事例を参考に、たくさんつくってみればいいんじゃないかな。

例えばHigh Tech High(以下HTH)。PBLで有名な学校。

こたえのない学校の藤原さとさんのブログに詳しいです。去年藤原さんと一緒に見学に行きましたが、魅力的な学校でした。生徒がプロジェクトをそれはそれは楽しそうに語ります。

kotaenonai.org

 

 

HTHのホームページには学校で行われているPBLが惜しげもなく紹介されています。小、中、高の事例がたくさん。

これらをざーっと全部見て整理してみるだけでも、

「なるほど、プロジェクトってこんな風につくるんだな」

と勘どころがわかってくるでしょう(1日あればできる)。

しかもグーグル翻訳を使えば日本語で読める!(ちょっとあやしいけど)

www.hightechhigh.org

 

プロジェクトのつくりかたのPDFもあります。英語だけど・・・・

https://www.innovationunit.org/wp-content/uploads/2017/04/Work-That-Matters-Teachers-Guide-to-Project-based-Learning.pdf

 

これらのフレームワークを活用しつつ、HPのテーマ例に刺激を受けつつ、先ずはたくさんつくってみること。批評しあうこと。

「このフレームワークでいいのかな」と恐れる必要はありません。

つまらないプロジェクトができたら、それはフレームワークのせいではありません。逆を言うと、どんなにステキなフレームワークがあってもそれだけで良質のプロジェクトがつくれて、実践できるわけではないのです。

(さらに言うと、つくることと実践することの間には大きな段差があることにも注意。実践知は実践でしか培えない部分も多いです。ですからたくさん場に立つのが大事。対人のことは対人の中で学ぶほかない)

 

試行と思考のサイクルをグルグル回すこと。

自身の情熱からプロトタイプをたくさん作ってみること。

忌憚なくフィードバックしあうこと。

いくつかのプロジェクトをかけ算してみること。

いいのができた!と思ったら自分たち自身が学習者となって実際に学んでみること。やれることはたくさんありそうです。

 

ちなみにこの学校のカリキュラムも参考になります(ここも見にいきました)。

www.newschoolsf.org

Principlesも明確。

探究のフレームワークもHTHとは違いますが、小学校にマッチしそうなフレーム。つまりいろんなアプローチがあるのです。

ちなみにこのHPは丹念に掘っていくと、フレームワークのPDFもダウンロードできます。

 

自分が子どもなら「絶対にやってみたい!」と思えるか。

いや大人になった今も「ワクワクする!やってみたい!」と思えるか。

シンプルにそんなところがスタートラインだと思います。

 

ちなみに風越では、 

すべての子どもの “自由” に生きるための力を育むと同時に、“自由の相互承認” の感度を育む

ことを目指すので、カリキュラムを考えるための3つの問いは、

 

・「私は誰か。私が自由に生きるための力は何か」
・「私は他者やコミュニティとどう関わり、相互承認し合うのか」
・「私は自由で幸せな社会をつくるために、どう貢献していくのか」

 

です。これで探究の領域を考えていくのも手です。

 

自分用のメモです。よくわからない感じでごめんなさいー。