いわせんの仕事部屋

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なんとなく気にしているという関係

あるところでの授業見学。

 

6年生算数の自由進度学習。

学習進度に基づいてそれぞれが自分のペースで進めていた。

教室はアイランド形式。4人ずつのグループになってすわって取り組んでいた。雰囲気はとても落ち着いてて、学びにぐっと集中している。男女の関係も柔らかい。担任の先生と子どものやりとりも柔らかい。

その中でのあるグループでのやりとり。

 

Aくんが、
「最小公倍数ってなんだっけ・・・覚えてる?」
Bくん、
「えっとー・・・」と言いながら自分の解いた最小公倍数の問題のノートを開いて見せる。
「え?どういうこと?最小公倍数ってなに?」
その様子を前の席のCさんがなんとなくきいている。じっと見たり。ちょっと気になる様子も声はかけない。Dさんも時々チラチラと。
Bくん説明はできず、Aくん自分のノートに戻る。
「だめだわかんね。これでいいの?」と間違えた答えをBくんに見せる。
Bくん気になるも説明はできない様子。
Cさん自分の問題を解きつつ、そのやり取りが気になるようでじっと見たり、自分の問題に戻ったり、何となく気にしている。
そこにDさん。
「だから、3と5があったら、両方かけてっておんなじ数になるの探すの。」
「おんなじ数?えー15ってこと?」
「そう。そうやっておんなじになるやつで、一番小さいかずになるやつってこと」
「じゃ15。」
「そう」
そこで自分の問題にそれぞれ戻る。「わかりやすかった」と呟くAくん。
そのやりとりをきいていたAとCも自分の問題に戻る。

しばらく問題を解いていて、Aくん、
「最大公約数ってもわかんない」とDさんに。Dさん「それは私もわからない」。笑
そこにCさんが説明にスッと入っていき、それを一緒に聞くAとD。

Cさん、Dさん 、自分のことに取り組みつつ、Aくんと、Bくんのやりとりをなんとなく聞いていて、必要かな、と思ったらそこに入っていく。
この「なんとなく気にしている」という関係。

「わからないところない?教えるよ!」と過剰に関わるでもなく、

困っている人を放置するわけでもなく、過不足なく関わり合う関係。

 

そのコミュニティが学び合いケアし合う関係かどうかって、なんとなく気にしているという関係あるかどうかで見ることができるんじゃないかな。

 

ちなみに、そのやりとりを終えた後、
AくんがDさんに
「でも俺の方が進んでいるからね」といばると、
Dさん、
「私は遅いけど、全部わかって進んでるから。」

学ぶ≠進むだということをビシッと言い渡していました。