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いわせんの仕事部屋

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書評『教師の学びを科学する』

『教師の学びを科学する』(中原淳監修 脇本健弘 町支大祐 著 北大路書房)、
読了しました。
中原さん、脇本さん、町支さんから献本いただきました。
ありがとうございました。



教師の学びを科学する: データから見える若手の育成と熟達のモデル

教師の学びを科学する: データから見える若手の育成と熟達のモデル



横浜市教育委員会と中原研の共同研究をきっかけとして、若手教員の育成に焦点を当てた大変大変興味深い研究でした。

ボクが勤務していた埼玉でも教員の年齢構成がものすごい勢いで変わってきています。
新任3年で異動した方が、異動先で学年主任+研究主任なんてことも起きています。
東京、大阪、横浜等の大都市では既に担任の半分が20代なんていうことも珍しくありません。

ミドルリーダーがほとんどいない職員室で、どうやって若手教員を育成していくかは、これからの学校教育の未来を左右する喫緊の課題です。
脇本さんらも書かれていますが、年齢構成の変化、教師の多忙化、子どもとの保護者の変化等、若手教員の育成には負の要素が増えてきています。

ボクがまだ若い頃(遠い目)、職員室内にはまだ学び合う同僚性が残っていました。戦後の民間教育運動の流れを組む学校外の学習サークルに参加している人もいて、職員室内では先輩から授業や生徒指導の話を聴く機会も多く、困るとよく飲みに連れて行ってもらって説教されました。(笑)。
ボク自身も先輩に連れられて学外のサークルに参加し、利害関係の少ない先輩教員たちの話からたくさん学び、助けられました。

そのような同僚性は学校から消えつつあります。
校内研究も形骸化しているところが多い。


ではどうすればよいか。
若手育成のための提案を机上の空論ではなく、実証的に明らかにしているのがこの本のすごみ。

一言で言うなら、「同僚性を構成的に再構築する試み」でしょうか。
詳しくはぜひ本書をお読みください!

これからの教師教育に大きなインパクトを与える必読の書です。
今回は触れませんでしたが、コルブの体験学習サイクルをあげて、教師の学びを実証する論考も大変興味深いです。

この知見を教職大学院にどう生かしていくか。
同僚と対話を深めていきます。


ボクはこれからいくつかの学校の校内研究に関わらせていただきますが、「校内に自律性を生むサポート」が仕事だなあと思い始めています。そしてそれは考え方であると同時に、ボクの仕事は具体的なワークショップや「仕組み」にしていくことだとぼんやり思っています。



中原さん、脇本さん、町支さん、素晴らしいアウトプットをありがとうございました。
ボクにできることを考えていきます。