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いわせんの仕事部屋

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なぜ「教室リフォームプロジェクト」なのか。

教室リフォームプロジェクト。

 

これまでも何度も記事を書いてきました。

iwasen.hatenablog.com

iwasen.hatenablog.com

iwasen.hatenablog.com

iwasen.hatenablog.com

 

なぜこんなに「教室リフォームプロジェクト」にこだわってきたか。

このプロジェクトを思いついたのはちょっとしたきっかけでした。

 

1年間の育児休暇を取っていたときのこと。

まあ当然ですが1日中家事をすることになります。すべての家事に従事するようになると、世界の見え方が変わってくる。本屋さんに行っても気になる本の種類が変わってきます。

例えば「オレンジページ」や「クロワッサン」、「ステキな奥さん」の特集が気になってくるわけです。

「なになに?プチリフォーム?」

「100円ショップのもので整理整頓?」

 

本に影響され、

毎日過ごしている我が家をちょっとずつリフォームしてみるようになってきました。

 

押し入れを整理したり、リビングの模様替えをしたり、小さい「書斎コーナー」を作ったり、玄関に鉢寄せをつくったり。

続けていると、

 

自分の場所

 

という愛着がわいてくると共に、

 

自分の居心地は自分でよくしていける

 

という、当たり前のことに目覚めてきました。

それまでは家が散らかっていても、「きたねーなー・・・」とイライラするだけ。

だれかが居心地よくしてくれる。

と他者に責任を転化していました。家事も育児もどこか「手伝う」という及び腰の参加だったのが大きい気がします。

当事者になっていなかったんですね。

育休でボクは家事育児の「当事者」になりました。

当事者になってはじめて感度の変化が起こりました。

自分の暮らしは自分でよくしていける。

自分にとって居心地のよい空間を自分でデザインできる。

そのことは、家族をも笑顔にし、そのことがボク自身も嬉しい。

 

教室も同じはず。

自分たちの教室は自分たちでよくしていける。

自分にとって居心地のよい空間を自分でデザインできる。

それは自分も嬉しいし、他者も嬉しい。

常に改善し続けられる。

自分の周りへの環境、ひいては社会への「当事者性」と、自分の行動による「改善可能性」こそが学校で体験的に学ぶことではないか。

自身の体験と仕事がグッとつながった瞬間でした。

 

実際の様子は、上記のリンクの通り。

ボクの創造をはるかにこえて、教室は「居心地のいい学びやすい場」へと変化し続けました。

不登校気味だった子が、

「棚を目隠しする布をつくるね」といって

毎日休み時間のたびにせっせと縫い物をしていた姿。

今思えば、教室の中に自分で居場所作りをしていたんだなあ、きっと。

教室の破れかけていた古いカーテンがいつの間にか直っていたこと。

季節が変わるたびに,季節の飾りが壁を賑やかにすること。

参観日の前、まるで家庭訪問の前の家の掃除のように念入りに掃除する姿。

いつのまにか家でお気に入りのぬいぐるみが置かれていたり。

ケンカして泣いているときそのぬいぐるみをぎゅっとだっこしている子がいたり。

 

様々なエピソードが日々生まれて、

確実に教室は子どもたちの「居場所」へと変化し始めました。

 

ずいぶん前に子どもたちに「教室リフォームプロジェクト」について聞いたことがあります。

・のんびりできる。落ち着く。居心地がいい。

・勉強の進め方にあっている。

・リラックスできるとろがあるのがいい。

・集まって相談したり、勉強したりできる。

・自分たちでやるとは考えること。

・ものの配置を相談したのが楽しかった。

・班で座るとおしゃべりするけど、すぐ話し合えていい。

・自分の部屋みたい

・早く帰りたいと思わなくなった。(岩瀬注:放課後、畳コーナーでおしゃべりして帰る人たちがいます・・)

・しあわせになる。

・本があると、自然に読むようになる。

・コピー機がとっても便利。

・勉強で疲れたときもリラックスできるから、逆に集中できる。

・文具コーナーがべんり。自分で自由に使える。

・途中で自分たちのアイデアで変えられる。

・教え合うのに最適。

・自由さが広がる

・自分たちでやるから、大切にしたくなった

・スッキリ片付いた ・友達関係がひろがる

・最初は興奮して畳に集まるけど、そのうちリラックスしたり、本読んだり、勉強に使ったりするようになる

・グループに机を置くので相談しやすいし、勉強しやすくなった。

・チームワークが高まる。

・たくさんの意見をきけるのがよかった。

・勉強しやすい

・インテリア会社がきれいにしたり、大工会社が家具を創ってくれたりして、自分たちの教室になっていった。

・今までは班にするのは給食だけだったけど、今はずっとだからたくさん話せる。

・すごしやすいから行きたくなる

・ストレスがたまらない。

・あばれなくなる

・自分の好きなコーナーがある

・しゃべらない人ともしゃべるようになった

・机を動かして良かったので、学びやすかった。一人にもなれるし。

 

 

 

日本の教室って無機質で、学びの場からほど遠いですが、見方を変えると、それを強みにできます。

フレキシブルに動く机を「自由に空間デザインしやすい」と捉えれば、自由度の高い空間ともいえます。無機質であるからこそ、変化が見えやすい。

子ども達と一緒にやることで、オーナーシップも育むことができる。

企業やプロがどのように学習環境をデザインしているのか、という学びにつなげることもできる。

 

 

 

繰り返しになりますが、自分の環境は自分でよくしていける。

自分にとって居心地のよい場を自分でデザインできる。

そしてそれは自分も周りの人も笑顔にする。

これが大げさかも知れないけれど、

「どうすれば幸せになれるのか」を自分の手の中に取り戻す第一歩。

まず自分の身近からスタートする。

これが広がっていけばきっと学校、社会、につながっていくのだろうなあとも思います。

 

結果としての仕事に働き方の内実が含まれるのなら、
「働き方」が変わることから、
世界が変わる可能性もあるのではないか。
この世界は一人一人の小さな「仕事」の累積なのだから、
世界が変わる方法はどこか余所ではなく、
じつは一人一人の手元にある。
(『自分の仕事をつくる』 西村佳哲 晶文社 )

 

この実感こそが、学校で経験し、感度として持っていたいことです。

 

 

なおこのエントリーは、恥ずかしい書名の拙著

 

岩瀬直樹―エピソードで語る教師力の極意

岩瀬直樹―エピソードで語る教師力の極意

 

 から加筆、修正しました。

 

中学校でやっている友人もいます。

すげえ!

horsefield98.hatenablog.com

そうだ、どこだってできるはずなんだよな。

「やれない」「むりだ」と壁を作っているのは誰だろう?