ギヴァー
映画がはじまってますね。
『ギヴァー』。
これは、本が圧倒的におもしろいです。
これはもうなんというか、最高。
必読です。
ボクは30冊持っていて、クラスでは、
子どもたちとのブッククラブでは定番でした。
『キヴァー』でのブッククラブの一番最初は2009年。
帝京大学の鎌田さんが参観に来てくださっていました。
参観記はこちら。
↓
20090206入試問題校正・狭山市立堀兼小研究発表会: かませんのつぶやき
映画化、期待してたのですが見に行った知人からの評価がイマイチなので、本の世界観が壊されたくないので保留中。
数年前のブッククラブ(六年生)では、本質的な問いを
『このコミュニティは平和・幸せといえるのか?
平和とは何か?幸せとは何か?」
に設定して行っていました。
真摯にテーマに向かう子どもたちの思考。
『ギヴァー』という作品の奥深さと、
読んだことを共有し語り合うことで、より思考が深まっていく。
作品と、対話と、思考と。
うまくリンクしていくのがブッククラブの魅力。
学習の最中の子どもたちの振り返りはこんな感じでした。
●このコミュニティは同一化を決めたから失敗というものはないと思うけど、そもそも同一化を決めたこと自体が大きな失敗。
でも「選ぶ」の大切さをわからなくなっているコミュニティは失敗ということに気づけない。
● 今日の振り返り。今日の目標は「次々行かないで話を深める」でした。前回よりは全然よくて、でも誰かが話している途中で話し始めたりしちゃったから、そこは次回改善していきたい。他に、話がずれちゃったこともあった。けれどすぐに「ギヴァー」の話に戻れた。
私は「楽しい記憶も辛い記憶も、全部どうしてひとりで抱えないといけないんだろうか?ギヴァー以外の人々は痛みを知らないで生きるのか?」
と思った。戦争とか、みんなが知らなくていいのか。
その辛い記憶は、ひとりで背負わないといけないの?それを今日話したら、
「みんなで辛い記憶を抱えるより、一人で抱えておいた方がいい」みたいな意見が出て、でもその痛みを知らない人々はいいけど、自分がその痛みを抱える「ギヴァー」だったらどうなるの?一人で抱えるんじゃなくて、こういうのは・・・。
かわいそうだし、おかしい。みんなが知る必要はあるのか?
人々は痛みを知らないまま死んでいいのだろうか?そんなことを思った。
あと平和や幸せ。このコミュニティは平和は平和だと思う。戦争ないし、人々は痛みも知らないんだから。でもジョナスは?幸せではない。自分の道を選べない。
● このコミュニティーは全員が平等な幸せを願っている。でもそれは無理だと思う。だって人によって幸せと感じる瞬間も感じ方も違う。でもそれをあわせようとしているのがこのコミュニティ。
すべてを統一したところで、果たしてそれで幸せの感じ方も同じになるんだろうか?私はそれは無理だと思う。もう今もジョナスは幸せじゃないと思うし・・・
平和ってなに?幸せってなに?これもBCのチームで考えました。平和とは戦争がなく、みなが穏やかに暮らせることだろうか?
幸せとは、自分の中で幸福感をもたらすことかな?平和っていうのは国や町、大きな枠で考えた幸せみたいな感じ?幸せっていうのは自分一人ひとりの小さな枠の中での幸福感って感じなのかな? だからこのコミュニティーは大きな枠で見れば幸福だと思うけど、一人ひとりの小さな枠で見れば幸せじゃないと思う。
●幸せか。平和な時は外から見れば幸せそうに見えるんじゃないかなあーと思います。でもくわしくみれば、全部決められていて、冒険できない。
コミュニティーは失敗を怖がっている。失敗がこわいからあれこれ同一化するのではないでしょうか?
●コミュニティのみんなは、心を閉ざしていると思う。
友達も勝手に決められるし、家族も勝手に。そんなこと自分だったらそれに逆らう。あと、このコミュニティは平和だけど幸せじゃないと思う。みんなはこれで満足しているけれど、人間として大事なことを知らないから。痛みとか、喜びとか。
そして現代は幸せだけど、平和じゃないと思う。まあ戦争をしている国もあるし、争いごとが一つもないというわけじゃない。
でも「愛」のあたたかさは知っている。
* * *
こんな素朴な振り返りもあります。
一人一人が自分のチャレンジの中で学んでいます。
●今日の話し合いはレベルがググッとあがった!
全部読んでこられたから、話し合いにも参加できたし、
質問に対してしっかりと答えられたからよかった!
(初めて範囲を全部読んで来ることができた)
○○、○○が私や○○に、「どう思う?」とか言ってくれたから話しやすかった!
私はいつも「○○とおなじように・・」
って答えてしまうけど、
今日は自分の意見がしっかり言えるようになった!
それは、
○○→「私は幸せじゃないと思う。理由は〜」
私→「私は幸せだと思う。理由は〜」
って感じで!自分でも「やった!」って思った!
子どもの力をみくびっちゃいけないなあ、と思います。
子ども時代に本の魅力と出会い、その後の人生に本が寄り添ってくれる関係性を結べる機会を作れれば、大人としての大きな仕事の一つが終わる、と考えています。
だかしかし。息子なかなか読まないんだよなあ。そう簡単に仕事終わらせてくれず。