いわせんの仕事部屋

Mailは「naoki.iwase★gmail.com」です。(★を@に変えてください。スパム対策です)

「保護者が協力的じゃない!」と嘆く前に。

「最近の保護者って学校に批判的だよね−」

「全然協力してくれないよねー」

 

学校の中にいるとそう思ってしまいがち。

でも学校って外から「関わりたい!」って思っていても関わるチャンスがないものです。

どこからどう関わっていいかわからない。

 

「子どもが人質に取られている」

なんて言い回しを昔からよく聞きますが、ある側面では当たっていて、保護者にとって学校は壁の高い場所なのです。

 

 

これはボクが育児休暇を1年取ったときに実感したことです。

上の子が小学校に入学した年に育児休暇で1年間家にいたのですが、

「学校に関わりたい!」と思ってもそのチャンスはどこにもありませんでした。

唯一できたのが読み聞かせボランティア。

2ヶ月に1回、たった15分です。

 

協力したくても協力する手段がない!!

 

が実情です。

 

問いを変えましょう。

「どうすれば、保護者が教室に気楽に入ってこられるようになるか?」

「どうすれば、一緒に教室で楽しめちゃうか?」

 

そうすればやれることはたくさんありそうです。

 

 

例えば。

土曜日の学校公開日。

学級通信でこんなふうに投げかけてみてはどうでしょう?

 

「図書コーナーの本が、乱雑に並んでいて、子ども達が本を選べずに困っています。

参観で来校下さったときに、子ども達が使いやすいように整理する、
<span style="font-weight:bold;">チョコッとボランティア</span>

をしていただけないでしょうか。」

 

 

どなたか手伝って下さるかなあ・・・
ドキドキして待っていると、

 おお!なんと4名の保護者の方が2時間かけて本棚を整理して下さいました。

子どもたちが勉強しているそばで。


しかも本の見取り図まで作って下さり、コレで子ども達が自分にピッタリの本を選べるようになりました!

子どもたちにとっても何とも新鮮!だって授業している横で、保護者の皆さんが本の整理してくれてるんですから。子どもたちにめちゃめちゃ感謝され、来て下さった方も「喜んでもらえてよかったです!」。

そのまま4人でランチに出かけていきました。いいなあ。

 




 

ある年は、学期に2回。

「気楽におしゃべりお茶会」なんてこともやりました。

お菓子を持ち寄ってただ気楽におしゃべりするだけ。

10人以上来て下さり、すてきな「しゃべり場」でした。

 

「草抜きに来て下さい」ではモチベーションも下がります。

ボクだっていきたくなくなっちゃう・・・

先ずは楽しいことから。Have Fun!からスタートです。 


繰り返しになりますが、外から学校の中に入る手段はなかなかありません。だとすると中から壁を下げるしかないのです。

 

そう考えるといろんな作戦が考えられそうです。

参観日は「親子で授業に参加する」はどうだろう?

社会科のプレゼンは「保護者が審査員」はどうだろう?

調理実習を「クッキングコンテスト」にして、保護者に審査員してもらえばどうだろう?

教室リフォームを一緒にやったらどうだろう?

学級懇談会は保護者と一緒に子どもたちにも参加してもらって、子どもたちに進めてもらってはどうだろう?

 

 

保護者は実は「おさそい」を待っています。

お誘いしてみましょう。

思わぬ出会いと思わぬステキが生まれるかもしれません。

 

先ずはコミュニケーション量を増やすこと。

量が増えれば質が変わってきます。

「子どもの幸せ」という同じゴールを目指す者同士。手を繋げないはずがありません。

 

お互い「見えない影」におびえて壁を作っているから、

うまくいくはずのこともうまくいかなくなっているのかもしれません。