読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

いわせんの仕事部屋

Mailは「naoki.iwase★gmail.com」です。(★を@に変えてください。スパム対策です)

「想定外」に出会ったとき。

ああ、今日はブログに書くことが決まらない!

神が下りてこない!

でも毎日書くと決めたし・・・・・

 

よしまずはパソコンの前に座ってみよう。

浮かばない日があるなんて想定外だ・・・

想定外。

 

今日はこのキーワードをお題に書いてみることにします。「想定外」というキーワードで体験を見直すといろんなことが見えてきそう。このキーワードを意識化させてくれたのは、以前、学芸大でのLITALICOの野口晃菜さんの講義でした。

さて、どんなゴールになることやら。

 

 

2005年。

ボクはNPO法人芸術家と子どもたちのサポートで、アーティストを学校に招いてワークショップをすることになりました。

NPO代表の人が、「ステキな人がいるんですよ」

と紹介してくださったアーティスト。それは勝部ちこさん。

 

コンタクトインプロビゼーションってご存じですか?

www.youtube.com

コンタクトインプロとは、

コンタクト・インプロビゼーション(CI)は、「人と踊る喜び」を糧に他者とのコンタ­クト(接触や関係性)を保ちつつ、「力」「重さ」「意志」などを、言葉を使わずに受け­渡しあいながら、力学にも則り、即興で紡ぎだす対話のようなダンスです。

 

ワークショップは5年生の2クラス。

正直に言うと、初めて代表の方にコンタクトインプロの動画を見せていただいたとき、戸惑いました。

他者と身体接触しながら即興で踊るなんて無理だ・・・思春期に差しかかる高学年だよ? そもそもボクは抵抗あって無理だよ・・・・

そう思ったんです。子どもたちも無理だよきっと・・・

ボクにとって「想定外」だったのです。

戸惑いと不安をめいいっぱい抱えながらのスタート。

でも、迷ったらやってみる。迷うということは何かが起こるかも知れない、という期待の裏返しとも考えられます。

思考より試行。

ボクはそう決めています。

 

 

そして迎えた初日。

ボクはまだ不安でした。子どもたち、どんなふうにこの1日を過ごすだろう。

最初に子どもたちの前で踊ってくれたちこさん。

子どもたちがぐぐぐーっとひきつけられていきました。息を吞む、という感じ。

そして、その後のワークショップ。

子どもたちは照れや恥ずかしさを軽やかに超えて、それはそれは嬉しそうに即興で動き始めました。もちろん照れている人も恥ずかしいままの人もいたけど、それもOK。

自由で伸びやかな場でした。

 

 

それからの2時間×6回のワークショップは感動的ですらある自由な表現の場となりました。子どもたちの心と体が解放されていったという言葉がぴったり。

途中からはボクも参加して一緒に即興で踊りました。やりたくなっちゃったんです。

「無理だよ」はボクの思い込みでした。完全に。

 

 

結局、勝部ちこさんには2年間学校に来ていただき、一緒に素晴らしい学びの場を創りました。今回は詳しく書きませんが、ボクの教員としての「あり方」が変わる貴重なきっかけにもなった2年間でした。

ああ、またやりたくなっちゃったなあ。

勝部ちこさんのことをボクは心から尊敬し、大好きになった2年間でもありました。

あのとき、不安だからと止めなくてよかったなあと。

もし想定外の不安で止めていたら、ボクの人生は大きく変わっていたと思う。

ボクにとっても子どもたちにとっても大切な出会いを一つ失っていたと思う。

 

 

「想定外」に出会ったとき、ボクたちは、不安になります。

その時に、一歩踏み出すか。立ちすくんで逃げるか。

そこでボクたちの生き方は大きく変わっていく、とボクは考えています。

 

以前、LITALIKOの野口晃菜さんのお話を伺ったとき、野口さんは、

不確かなことは私たちは怖い。

でも、想定外のことは私たちに成長の機会をくれる。

とおっしゃていましたが、本当にそうだなあと思います。

 

 

例えば教室で。

ボクらの(小さな)「想定外」に出会ったとき。

机の下に潜って出てこない子がいたとき。

どうしても暴れてしまう子がいたとき。

 

例えば職員室で。

わかり合えない(と思えてしまう)同僚に出会ったとき。

ビックリするぐらいの勢いで怒鳴り込んできた保護者にであったとき。

 

ボクたちは「想定外」の不安に立ちすくみそうになります。

でも。

ピンチはチャンス。

そこは成長するチャンスなんです、きっと。

丁寧に耳を傾けてみる。

丁寧に見てみる。。

「なにがやれるかな?」

「つぎできることはんだろう?」

「一緒にやれることは何だろうか?」

と未来に問いを向けてみる。

 

「想定外」と向き合うことは、自身の思い込みと向き合う時間に他なりません。

今、学校で行っていること、自明だと思っていることは、「ほんとう」なんだろうか?

子どもの立場から見たら、ちょっと外から見たらずいぶんおかしなことがあるんじゃないか。

前提を疑ってみる。当たり前を疑ってみる。

自身のリフレクションを深めてくれる機会が「想定外」との出会いです。

ちょっと苦しいことですけれどね・・・

 

コンフォートゾーン(安心ゾーン)を一歩出てみる。

『教師教育学』を記したF・コルトハーヘンは、ボクが参加したワークショップで言っていました。

学びはコンフォートゾーンの際で起きる、と。

 

 

おお、なんとか書き上げました。

コンタクトインプロに一緒に取り組んだ子たちは、もう成人。

いやあ、年取るわけだ。

ちこさんにも久々お会いしたいなあ。