いつでも会える
- 作者: 菊田まりこ
- 出版社/メーカー: 学習研究社
- 発売日: 1998/11
- メディア: 単行本
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ぼくの大好きな本。
自分で読んでいても、子ども達に読み聞かせをしても、いつも涙が出てきてしまう本。
児童書のアカデミー賞ともいえるイタリア・ボローニャ児童賞1999年度の特別賞を受賞したそうです。
人間の死を犬のシロの視点から描かれています。
シロの大切な飼い主、みきちゃんが、突然この世を去ってしまう。
その死をシロはどうとらえていくか・・・
西原理恵子のマンガには、自分が飼っていた犬の死を描いた作品が載っています。これも涙なしには読めない名作。
西原さんって、どうしてこんな風に、言葉にならない奥底の悲しみを表現できるんだろう。
- 作者: 西原理恵子
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 1994/07
- メディア: コミック
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この2冊は、忘れそうになる気持ちをいつも思い出させてくれます。
* * *
ボクもかつて犬を飼っていました。
犬の名前はロン。
ボクが小学生の時の通学路で飼われていて、毎日かわいがっていた余所の家の犬の名前をもらいました。
中学1年生の時、たまたま買い物に行った「ジャスコ」で、
「1匹千円」で売られていた、白と黒のブチの雑種。
両親に死ぬほどお願いして飼い始めた犬です。
中学の時は、よくかわいがりました。
お散歩に行って「かわいいねえー」と言われるのが自慢でした。
部活から帰ってきたときに、飛び上がって喜んでくれる姿はなんとも嬉しいものでした。
裏の山に、お散歩がてらに山菜とりにもよく出かけました。
ワラビを口にくわえては、苦そうにはき出してました。
家に野良犬が来たとき、
キャンキャンとおびえて鳴いていたのに、
ボクが窓から顔を出して、野良犬に、
「こら!」と大声を出したら、急に勇敢になって、野良犬にかかっていこうとしていたロン。
ちょっといいところ見せたかったんだろうな。
高校1年生になるときにお引っ越し。
ロンはそこにも、もちろんついてきました。
引っ越した先の町がどうなっているか知りたくて、よく一緒に散歩に行くようになりました。
散歩しているうちに、お隣に住んでいる子とよくおしゃべりするようになり、一緒にお散歩するようになり、そしてお付き合いするようになりました。人を大切に想う気持ち、が自分の中に確かに生まれた瞬間でした。
ロンの前で、たくさんたくさん話しました。
真っ暗になって、母に
「そろそろ家に入りなさい!」と言われることもしばしば。
ロンは毎日、その話に耳を傾けていたんだろうな。
* * *
高3になるとき、またお引っ越し。
家の配置が換わって、裏につながれるようになったロン。家に帰ってきても裏にいるので、姿が見えない。
それもやがて気にならなくなりました。
受験勉強に忙しくなったボクは、ロンのことを忘れがちの毎日。
そして、3月が来て東京の大学に行くことになった前の日、
最後のお散歩をしました。
ロンにいろいろ話しかけながら2時間ぐらい歩き回りました。
何となくそれが最後になるような気がしていたんです。
なんだかとても寂しい散歩でした。
ずーっとこの時間が続くといいのに。そう思った散歩でした。
ぼくが東京の大学に行ってすぐ、ロンはこの世を去りました。
母から電話をもらったとき、大学の寮で泣きました。
その時になって、ロンのことがどれくらい大切だったのか、本当に遅まきながら気づいたのでした。
ああ、ついつい恥ずかしい思い出話をしてしまいました。
2冊の本は、そんなボクのいろいろな経験を、いつも色鮮やかに引き出してくれます。
月曜日、子ども達に読み聞かせよう。
そして、ボクの思い出話をしよう。
本のすばらしさってそんなところにもあるんだ、ってことを伝えよう。
みなさんにとって、そんな本はありますか?