いわせんの仕事部屋

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運動会終了! まだ書き途中です・・・

運動会が終わりました。


運動会のような行事は、目標がとってもはっきりしています。
ですから、子ども達もとても意欲的に取り組みます。
この前向きなエネルギーって、クラスにとってボクはとても大切だと思っています。
運動会当日に向けて、自分たちで協力し合って全力で練習を積み重ねていくプロセスのなかで、子ども達は普段の学校生活からはなかなか得られない学びがあるはずです。


そして、みんなで1つの目標に向かっていくという体験、そしてその先にある喜びや悔しさ、達成感は一人一人の成長とクラスの成長に欠かせないものです。


ですから、ボクはこの運動会という行事、結構好きなんです。


ボクの学校の運動会には「全員リレー」という種目があります。
クラスの中でリレーチームを4チーム作り、他のクラスと試合をします。
一チーム8人位。
このチームをボクのクラスでは6月に作りました。


「このチームをどんなチームにしたい?」
「そのためにどんなことを大切にしていく?」


ここで作ったチームの約束事(=ビーイング)は、4ヶ月間、大切に大切にされてきました。
そのチームで、プロジェクトアドベンチャーなどの活動を積み重ね、チーム作りに励んできました。
お互いにじっくり向き合い、本音でぶつかり合い、それを乗り越えて、本番を迎えてもらいたい。そう思っていました。
7月ぐらいには、お互いの本音がぶつかり合い、様々な活動でトラブルも起きました。



「何でそんな強い言い方で注意するの!」
「強く言ってねえよ!」
「強いよ!そうやって言われると、傷つくよ!」
「じゃあ、なんて言えばいいんだよ!オレわかんねーよ!教えてくれよ!」



「私だって全力で走ってるんだよ・・なのに抜かれたとき、どうして誰 も声かけてくれないの・・・」
「ごめん・・そんなつもりじゃないんだよ・・・」



そんなやりとりの中で、子ども達はチームとして確実に強くなっていきました。
こうやってぶつかり合うことが大切。
目標がはっきりしているから、みんなが向かう方向がはっきりしているからこそぶつかれるし、そして乗り越えられるんですよね。
「対立」は必ずボクらの「力」になっていく。
そう確信して、たくさんのトラブルを見守り、振り返り、学びにしてきました。



          *  *  *


夏の宿泊学習では、赤城青少年交流の家で丸一日プロジェクトアドベンチャーをやりました。
これもリレーのチームで。
ボクのクラスをファシリテートしてくれた、尊敬しているファシリテーター、さとじゅんは、


「このクラスはもうチームになっているよ!すごいよ!」


と過分にほめてくれました。
子ども達が苦労して向き合ってきたことが、生きてきているんだなあ、そう思うと、本当に嬉しかった。



          *  *  *


そして、9月。

改めて、運動会のビジョンづくりをしました。

http://d.hatena.ne.jp/iwasen/20090909/p1


実はクラスで運動会に勝ったことのない人が2人いました。
一人はクラスの団長。もう1人はボク。

いつしか、

「2人に勝利をプレゼントするぞ!」

がクラスの合い言葉になり、子ども達の自主練が始まりました。

http://d.hatena.ne.jp/iwasen/20090916/p1


子ども達は、自分たちで声をかけ合い、本当によく練習しました。ボクはほんの一言二言アドバイスするだけ。
後は自分たちで振り返り、修正して、取り組んでいました。
「みんなが中心」を本気で実現しようとしていました。ボクせめてもの仕事は、放課後つきあってニコニコ眺めていることでした。


誤解を恐れず言えば、当日の勝ち負けは、実はどっちだっていい。
当日を迎えるまでのプロセスで、何を学び、どんなチームになっているか、それが決定的に大切です。
今までこの学校では4連敗中。。。
でもその中でクラスは、そして一人一人は大きく成長してきました。
運動会の振り返りでは、涙を流しながら、友達への感謝を語る子も多く、負けたという結果以上のことを学び、クラスはググッと高まっていったのです。
勝つと、どうしても結果の方に意識がいってしまい、そこに至るまでのプロセスを忘れてしまいがちです。
逆に負けると、そこまでのプロセスをいろいろと思いだし、自分たちの努力、友達のありがたさ、悔しさなどいろいろなことに焦点があたって、豊かな学びが引き出されやすい気がします。




とは言っても、「勝利をプレゼントするよ、イワセン!」
といわれるのは嬉しかったな!!なんだかすごく。
その言葉だけでもう十分でした。



          *  *  *

朝6時に教室に行き、黒板に大きく、

「みんな大好きだよ!!」

と書いておきました。
ぼくの思いはその一言に尽きました。
校庭で運動会準備をし、8時頃に教室を見に行くと、黒板にせっせとメッセージを書く子ども達の姿が。

「100%の全力をつくそう!」
「イワセンと○○に勝利をプレゼントする!」
「プラスの言葉つかいまくるぞ!」
「みんなイワセンが大好きだよ!」


一人一人の言葉で黒板がいっぱいになっていました。
うん、今日の運動会、絶対ステキな1日になるな、と確信しました。


運動会での子ども達の活躍は、もう申し分なし。
スゴイの一言です。
入場行進の立派さ、徒競走のときの真剣な顔、綱引きのときの引き締まった表情。

お弁当タイムを早々に引き上げて、リレーのバトンパスのチェックをしている子ども達。
それもスゴイ人数!


リレーのレースは今までの積み重ねが十二分に発揮された、素晴らしいレースでした。
バトンパスを失敗して、涙いっぱいになっている子もいました。
でもその子がクラスで一番一生懸命練習し、みんなに声をかけ、本気でクラスに向き合って全力を尽くしてきた、ということはみんなが知っていること。
バトンゾーンすれすれの完璧なバトンパスをめざしてきたからこそ、失敗することもあるんです。
バトンゾーンはちょっと出ちゃったかも知れないけど、でも最高の、本当に最高の想いがつまったバトンパスでした。


組み体操も凛としてかっこよかった。
ぼくは実は感動して泣いちゃいました。



そして大玉送りでの大逆転。
子ども達のがんばりへのご褒美だったのかもしれません。



クラスに戻って振り返り。
時間が15分しかなかったので、ほんの一言ずつになりました。

「優勝したこともうれしかったけど、それよりも、このクラスのみんなでやれたことが、うれしいです。最高の運動会でした。」



そういった○くん。
その言葉にこの運動会の全てが詰まっているのかも知れません。

最後にみんなでハイタッチ!


いい運動会でした。
明日、子ども達と改めて振り返りをしたいと思います。
この行事から何を学んだのか、それをみんなで共有するのが今から楽しみです。