いわせんの仕事部屋

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最高の小説! 『ギヴァー 〜 記憶を注ぐ者』普及プロジェクト!!

ボクが一番好きな本の1冊に、『The Giver』という本があります。
これが最高に面白いのですよ!

アメリカのamazonでは、3000件以上のレビューがついているという本です。


http://www.amazon.com/Giver-Lois-Lowry/dp/0440237688/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=books&qid=1253326099&sr=8-1

日本では残念ながら絶版になっています・・・・


去年担任した6年生では、何とか絶版の本をかき集め、ブッククラブで読んで話し合いました。
Y君は、
「この本、サイコー面白かったよ。今まで読んだ本の中で圧倒的に一番だよ。
え?こんな面白い本、もう絶版なの?信じらんねー!絶対みんな読んだ方がいいよー」

と、強く強く言い放つほど魅力的な本です。
ボクも思いっきり同感。
こんな良質な小説はすべての子ども達、いや大人も含めてたくさんの人に読んでもらいたい,そう思っています。

子ども達が作ったこの本の紹介文をご紹介しますね。



★ザ・ギバー
ジョーナスは選ばれて記憶を受け継ぐ者になった。その記憶とはジョーナスを幸せにしたり、悲しめたり、苦しめたりする。
この作者の考えた近未来は幸せなのか?
戦争も、色も、幸せもない世界。
ジョーナスは記憶を伝える者と一緒に、この近未来を変えていこうとする。

※ちなみにこの子は読書ノートで、
「作者が言いたいことは、
・いやなこと、いいことはいつもとなりあわせだということ。
・今の世界がどれくらいいいのか、今の世界で何を大切にしたらよいのかを比べてよく考えて、いろんな人にそのことを知ってもらいたいということ」と書いていました。



★ザ ギバー
この本は、少年とおじいさんが何も感じない世界に住んでいます。
しかしこの2人はこの世界の意味のなさに気づき、この世界を変えようとするストーリーです。
この本を読むと、オレたちが生きている世界の大切さと、この本の世界の無意味さを語る、近未来ファンタジーです。



★ザ ギバー
記憶を与えて受けついで、そんな大切な仕事に選ばれたジョーナスはこの世界、近未来を変えようとしている。
色も幸せも愛もない近未来。
あなたならこの世界を変えますか?




                    *  *  *


こんな魅力的な本が絶版になって読めないなんて…本当に不幸なことです。

と思っていたら、ボクの知り合いであり、メンターである吉田新一郎さんが、この本の再版に向けて動き出していることを知りました。
以下で吉田さんからの文章です。
ボクも積極的に普及に関わっていきたいと思います。
クラス全員で,この本でブッククラブがしたいなあ!と思っています。


もし興味を持たれる方がいらっしゃいましたら,ご連絡ください!
首を長ーくしてお待ちしています!
また、ブログで以下の文を紹介して下さる方も募集しています。
良質の本をたくさんの人に届けるため、力になっていただけるとうれしいです。
岩瀬までご連絡下さいね。


      *   *   *



―『ギヴァー 〜 記憶を注ぐ者』を多くの人に読んでもらうために―


この本の普及協力者=伝達者になっていただけませんか?

 『ザ・ギバー 〜 記憶を伝える者』(ロイス・ローリー著、掛川恭子訳、講談社)に出合ったのは、2007年3月のことでした。それは、ノンフィクション系の本では刺激をたくさん受けている私が、小説のジャンルで心の底から感動を覚え、日本中の人たちに読んでもらいたいと思ったはじめての本でした。しかし、残念なことに、『ザ・ギバー』は現在絶版で、古書でしか入手できません。



 私は、なんとかこの本を再版して、少しでも多くの人に読んでもらいたいと思いました。この本は、ぐいぐいと引っ張られるストーリー展開によって、人間のありかたの本質 〜家族、職業、幸せ、生と死、社会、また、人間の歴史とは、未来とは、そして、自分たちのやるべきことはなど 〜 について広く深く繰り返し考えさせてくれる本です。(ストーリーの山場をピックアップした新訳のサンプルを添付しましたので、ぜひご自身でこの作品の魅力の一端を味わってみてください。これでは判断しかねるという方には、全訳をお送りしますので、お知らせください。)



 これまでに約30人の10代〜80代の人たちに読んでもらい、フィードバックをもらいましたが、9割以上の人がそのおもしろさを認め、再販の価値にも賛同してくれました。そのことも、私が再版活動に踏み出した大きな要因になっています。それなりのマーケット調査を実施したということです。



 それでは、なぜ天下の講談社が出したこの本が売れなかったのでしょうか?

 一番大きな要因は、「ユース・セレクション」の1冊として出されたことにあると思います。つまり、ほとんど中・高生の目にしか触れなかったのです。しかも、極々一部の。(残念ながら、いまの中・高生は好んで本を読むような世代ではありません。)だから本は売れず、講談社は早々に翻訳権も放棄してしまいました。おそらく1万部も売れなかったと思います。(ちなみに、アメリカではすでに500万部以上、売れています。)

 従って今回の再販では、この講談社の教訓を生かして、どちらかといえば大人を主たる対象に据えたうえで、10代の人たちも読める形にしました。



 2008年の春から秋にかけてはNPOとしてこの本の普及をできないか模索しましたが、版権をもっているアメリカの出版社がその方法を許してくれませんでした。既存の出版社としか契約を結ばないというのです。そこで、私が懇意にしている出版社の新評論の協力を得て、再版できることになりました。それも、新しい翻訳者による、はるかに読みやすい新訳で。それに合わせて、タイトルも少し変更しています。




 出版界は現在、非常に厳しい状況にあります。マスコミが騒いで脚光を浴びる本以外は、「良書であっても売れない」のがほとんど常態化しています。そこで、本書の普及に、ぜひ皆さんのご協力をお願いする次第です。サンプルをご覧いただいたり、完成後は実物を手にとっていただいて、本書の価値を口コミで周囲の方々にお伝えくだされば幸いです。




より実際的なレベルでご協力いただきたいこととして、皆さんの手で本書を一人でも多くの方のお手元に届けていただくことで、「普及協力者=伝達者」のお一人になっていただければ、これほど嬉しいことはありません。(その際は、この依頼文を多少変更して使っていただいても結構です。)







なお、英語ではすでに『ギヴァー』の続編が2冊も出ています。続編も『ギヴァー』に劣らずたいへん魅力的な本です。それらを日本の読者に届けるためにも、今回のプロジェクトをまずは成功させなければなりません。

   さらに、アメリカでは『ギヴァー』の映画化の話もあるようです。でも、私は日本人の配役で、日本版『ギヴァー』を製作したいぐらいです。あなたは、誰が『ギヴァー』役に適していると思われますか?

   原書と、その続編のタイトルは次の通りです。

   Lois Lowry, The Giver, Laurel Leaf

Lois Lowry, Gathering Blue, Laurel Leaf

Lois Lowry, Messenger, Bantam Books