いわせんの仕事部屋

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運動会

運動会が終わりました。
今回の運動会、クラスではいろいろなドラマがありました。
ボクは、この運動会を通じて、
・本気でチャレンジすること
・チームワークのすばらしさ、大切さを体感すること
を子ども達に感じてほしいと思ってずっと取り組んできました。
本当にいろいろなことがありました。

運動会では全員リレーという種目があります。この種目のチームは5月から結成していました。これは決して「リレーが速くなるように」早くに結成したのではなく、チームとしていろいろな活動に取り組んで、相互の信頼関係、自分への信頼、を育もうと考えたからです。
このグループでプロジェクトアドベンチャーなどの活動にたくさん取り組みました。
夏の赤城青少年交流の家でも5時間のプロジェクトアドベンチャーに取り組みました。
そのプロセスの中で子ども達は確実に成長し、関係が構築されていきました。

さて全員リレー、練習から隣のクラスに歯が立ちません。
基本的走力で圧倒的な差があって、バトンパスや作戦どころではなかったのです。
でも子ども達はあきらめませんでした。
「自分たちのチームの目標を設定しよう」
「その目標に向かってみんなでチャレンジしよう!」
「最後まであきらめないでやろう!」

本当によく取り組みました。
自主練習、走るのが得意じゃない子への教え合い、励まし合い。
日に日に成長していく子ども達が本当にステキでした。

もちろんトラブルもたくさんありました。
本番前々日には、チーム内でもめ事も起きました。
リレーの練習でなかなか勝てなかったチームが、

「走る順番を変えた方がいいんじゃないか」
「いや、今から変えても練習できないから、今までのままがいいんじゃないか」


ボクのクラスの2人の子がんがんぶつかり、そして泣きました。
次の日、次の日そのうちの一人ががこんな振り返りを書いてきてくれました。


今日は、○○ちゃんをせめすぎたと言うか、強く言っちゃった・・・・わたしは変えなくていいじゃなんって言ったんだけど・・・それが強く聞こえてたみたい。せっかく(チームが)グーンと上にあがっているのに・・・ ダーンと下にさがってごめんなさい。

すごいチームワークでリレーだって今日は○○のおかげで2位だったのに・・。わたしは走ったあと、なみだがとまらなかった。あまりにもみんなががんばってくれてたから。だってスタートダッシュがおくれちゃって××にぶつかってスピードおそくなっちゃったけど、(7人の名前)ががんばって走ってくれたから、2位になれたんだー!みんなにかんしゃしています。

(中略)

チームのことは全員で決めなくちゃね。8人全員で!
やっぱりチーム全員がリレーやんないと、リレーじゃないし、チームワークがないとリレーなんてできないし。やっぱり、チーム全員が大切だね。


これを運動会を前にみんなで共有したい、そう思い、本人の了解を得て、みんなで読みました。
 読んだみんなもいろんな事を感じ、いろんなことを発言してくれました。 同じように悩んでいて、発言しながら涙する子も何人もいました。
 この振り返りを読んで、「リレーは結果が大事じゃなくて、どうやってやってきたかが大事だと思う」とAくんは言いました。

「一人でも欠けたらリレーじゃない。誰かが走れなかったら、勝っても嬉しくない。みんなでバトンをつなぐから嬉しいんだと思う」

「やっぱりチームワークってすげー大切。勝つだけが目的じゃないもんね」
「○○って、こんな風に考えられてすごい。すごいやさしい人だと思った」
「オレは、昨日○○を責めるようなことを言っちゃって反省してる。ごめんね」
「自分を信じて、みんなを信じて明日はやりたい」

 リレーで速く走れずに悩んでいる子にも、

「一生懸命やることが大事だから、そんなこと気にしないで!」
「チームのみんなを信じてほしい」
「がんばっているの、ちゃんと知っているよ。だからそのままでいいよ」
「みんな得意なこと、不得意なことある。得意なことはみんなに教えてあげて、苦手なことは、お互い助け合っていけばいいと思う」
「めいわくなんて全然かかってないよ。みんなでやるからチームなんだから!」

 さて、本番。リレーは3,4位でした。
 すごく悔しそうでした。泣いている子もいました。
 でも教室に戻ってきたとき、すごくいい顔してました。
 途中の学年種目でも、何度も勝手に円陣を作って盛り上がってました。

 運動会が終わり、教室に戻ってきた子ども達。
 全員でサークルになって振り返りをしました。
 子ども達の口から出るのはお礼の言葉ばかり。
「負けちゃったけど、今までで一番楽しい運動会だった」
「みんな、本当にありがとう」

 涙を流す子もいました。
 本当にステキな子ども達の姿が爆発した運動会でした。
 運動会は「目的」ではなく「手段」です。
 その中で、自分のすばらしさ、友達のすばらしさを感じてほしい、そう思っていました。
 子ども達は自分たち同士のやりとりの中でそれを感じてくれたようです。
 

 そうそう、応援合戦も間違いなく全校で一番声が出ていましたよ!

 そして、週があけた火曜日、クラス全体で改めて運動会の振り返りをしました。
 (振り返りこそ学びなので!)
 ここでも感動的なやりとりがありました。

 続く。